正しい「アベノマスク」の洗い方とは 「小さい」と冷評も…しないよりしたほうがいい理由

「感染させないための効果はある」と医師

渡辺 陽 渡辺 陽

アベノマスクは手洗いする

経済産業省では、布マスクの洗い方を「布マスクをご利用のみなさまへ」と題してYoutubeで紹介しています。塩素系漂白剤を薄めた液で押し洗いします。洗濯用洗剤を使う場合も、一度目は洗濯用洗剤で洗い、その後、塩素系漂白剤で洗います。直接口や鼻に触れるものなので、洗濯機には入れず、必ず手洗いします。一日一回洗い、汚れた場合は、その都度洗うことが推奨されています。

サージカルマスクですが、経産省によると、現在、国産、輸入したもの共に政府調達に回しているそうです。感染症指定医療機関では、本来なら汚れるたびにマスクを取り替えたいところですが、回数を減らして対応しています。最前線の現場で働く医療従事者に必要なマスクを届けることで、私たちの健康も守られます。

すでにアベノマスクを手にした方々が「小さい...介護職員に配られたけど誰も使ってない」「職場に届いた #アベノマスク やはり小さい(ダサい)気がして」とSNS上で感想を投稿しています。手持ちのマスクがない人は、アベノマスクもしくは布マスクを使いましょう。アベノマスクは小さすぎるという批判もありますが、それでもしないよりずっとましなのです。

猫も杓子のマスクの時代。早朝からホームセンターの前に並んで感染リスクを高めている人がいますが、マスクを過信しないことが大事です。感染しないためにマスクをしても効果はないのです。予防のためには、三密を避ける、手洗い、うがいをする、人と2m以上距離を取るといった基本的なことに加え、顔を手で触らないようにすることが重要です。

◆谷口恭(たにぐち・やすし)91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院。

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