なぜ町のカメラ店が? 手作りマスクを販売、診療所から「全部買いたい」と申し出も

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神戸市内にある「三晃カメラ商会」
神戸市内にある「三晃カメラ商会」

ドラッグストアで、まだまだマスクが手に入らない状況のなか、「手作りマスク」を販売しているカメラ店を見つけた。7日、安倍晋三首相が緊急事態宣言を行ったが、カメラ店はその対象となる兵庫県にある。繁華街の神戸・三宮からほど近く、阪急神戸線の花隈駅の出口から出てすぐの「三晃カメラ商会」という店だ。

店頭に「マスクあります 900円~」という大きなPOPが張り出されていた。なぜ町のカメラ店がマスクを売るようになったのか。店主の奥様である太田理佳さんに経緯を聞いた。

――どうしてカメラ店がマスクを販売しているのですか?

高齢の父母が生活に必要なのに、使い捨てマスクが手に入りにくく、近所の人も困っていたので手芸の上手い知人に作ってもらうことにしたのです。

――いつから販売しているのですか

3月初めくらいからです。最初は親しい人に差し上げていたのですが、娘が勤務先に持っていったところ「まとまった数が欲しいから購入したい」と言われ、納品しました。これが好評だったので、マスク不足で困っている人向けに販売することにしたのです。

――材質は? 材料は?

オモテ側は白いポリエステルです。裏地は柄もののガーゼです。今、白いガーゼは入手しにくくなっているのですが、「マスクのオモテは真っ白がいい」という人がほとんどです。

――柄のある方が裏地で、オモテは白い無地に統一されているんですね。どうやって縫っているのですか?

はい。子どもはカラフルなマスクをしているのが目立つけれど、大人の場合は「仕事中は白いマスクが必要」という人が多いため、2種類の布地を組み合わせて、ミシンで作っています。

――使用後はどうやって洗うのですか?

普通の洗剤で手洗いしてください。洗濯機で洗っている人もいます。夜洗えば朝には乾くほど乾燥しやすいですし、型崩れしないからアイロンは不要です。店のスタッフはみんなそれぞれ、1つのマスクを毎日洗濯して使っています。

――どんな人が買っていきますか?

年配の女性が中心ですね。高齢の人が使ったあと、知り合いへのプレゼントとして再購入するケースが目立ちます。近くの病院へ見舞いに行く人が、店の前の看板を見て買うことも多いです。ある診療所から「スタッフが使うものが足りない。店にある分を全部買いたい」として12個販売したこともありました。

――いつまで販売する見込みですか? お店として呼びかけたいことは?

必要な人がいる限り、販売を続けたいです。ただ、手作りのため数に限りがあります。医療用でないし、縫い目が荒いなどは大目に見てほしいです。購入したら念のため一度洗濯してから使用してください。

 ◇   ◇   ◇

ユーザーにとって、布製のマスクは、洗って繰り返し使えるのが一番の魅力で、品不足を心配する必要がない。布マスクの感染予防効果を疑問視する声もあるが、小児科医でアレルギー専門医の清益功浩医師によると「どんなマスクでも身につけていれば自分の口や鼻を直接手で触りにくくなる」ことから、しないよりは役立つとのこと。

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