「今日はどうしたの?」動物病院にやってくる動物や飼い主さんを優しく出迎える看板猫「ドクターゴーくん」

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

 病院にはゴーくんの他に3匹の猫がいます。茶白のミミ(メス、年齢不明)は近くで地域猫として愛されていたのですが、6年前、交通事故にあい、運びこまれてきた子。脊髄損傷で後脚2本が不自由になり、いまは前脚2本だけしか動きませんが、ちゃんと自分でトイレに行ったり、歩きまわったりしています。入口で日向ぼっこをしていることが多いので、ゴーくんとともに人気者です。ともにキジトラのらりま(メス、3歳)、トト(オス、2歳)は近所で保護した子たち。4匹はそれぞれ仲良しですが、来院する動物や飼い主さんに興味を示すのは、なぜかゴーくんだけです。

 ゴーくんは子育ても上手で、保護された子猫が新しい飼い主さんの元へ行くまでの間、面倒をみてくれることもあります。私が忙しくて手が回らないとき「ゴーくん、お願い!」と助けを求めると、どこからともなく現れて、しっかりと子猫の相手をしてくれます。4匹いっぺんにみてくれたこともあれば、警戒心の強い子に根気よく寄り添い、人の膝に乗るまでに心を開かせたことも。いまでは私の優秀な助手ですね(笑)。

 当院は傷病野生鳥獣保護の協力病院に指定されており、私は獣医師としての通常業務に加えて、野生動物の保護にも、ボランティアながら一生の仕事として力を入れています。治療やリハビリは長期にわたることも多く、孤独な闘いでもあります。そんなときに、ゴーくんがそっとそばで見守ってくれていると、勇気が湧いてきます。

 もしかしたら命を落としていたかもしれない、野良猫として厳しい生活を送っていたかもしれない…。でも、ゴーくんはこうして動物病院という場所で、私たちを手助けしながら、毎日やってくる動物や飼い主さんたちに優しく寄り添っています。そんな自らの役割をしっかり果たしているゴーくんは、私たち夫婦の誇りでもあるんです。

【病院名】篠原動物病院
【住所】宮崎市清水3丁目5-4
【電話】0985-26-1136

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