発掘調査のディープな知識でおもしろデザイン…ニッチだけどすごすぎる!話題の考古学グッズとは

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 奈良で活動する歴史意匠デザイナーの金田あおいさん。屋号『時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)』として、考古学・歴史学モチーフのグッズ制作や考古学専門機関、ミュージアムなどでパネルやポスターを手がける。

 もともと大河ドラマの時代考証に興味があり、最終的には大学院修士課程まで専攻して考古学を学んだ。金田さんの作る考古学グッズとは、どんなデザインでどのような魅力があるのか、話を聞いた。

 金田さんの学びの過程で培われた考古学・歴史学への専門知識は、作品に遺憾なく発揮されている。例えば、実際に発掘現場で使う道具や、調査後の整理作業で使う道具、発掘調査の作業シーンをモチーフに縄文時代の火焔土器シルエットを表したユニークな「発掘調査/火焔土器Tシャツ」もそのひとつ。

 「マコ(真弧)」「測量用ターゲットを持つ人」「レベルを読む人」など、発掘経験者でなければ、何のことかまったくわからないが、Tシャツを購入するとどの絵柄が、どんな発掘調査の作業シーンを示しているのかを解説したパンフレットが付いてくるので、ディープな考古学の世界に浸ることができる。

 ほかには「奈良市のふるさと納税返礼品」に選ばれたこともある「こぷん。」に「発掘調査スコップスプーン」。「こぷん。」とは古墳型のプラスチック製カップで、これを使ってゼリーやご飯の古墳を築造し、発掘スコップの形をしたスプーンで、リアルに発掘することもできるという。また「ガリで遺構を検出する人」など一般人には何のことかわからない専門道具や現場の様子がリアルに描かれた「発掘調査手ぬぐい」も人気だ。

 このように歴史意匠デザインには、「歴史は地道な日々の作業によって象られているとの思いが込められた深い意味がある」と金田さんは語る。

 作品へのこだわりを、「モノの形が時代を表現するということを忘れないようにしている」と金田さん。それは、「専門家だと(遺物や文化財の)欠片を見ただけで時代が分かるほど、変態的におもしろい世界だから」と考古・歴史愛を爆発させた。

 また、「足元には歴史が積み重なっていて、自分もその流れのなかにいるひとりだと思い出させてくれる作業が、デザインするということ。気に入ったグッズを日常遣いして、いにしえから今に至る人々の歩みに想いを馳せるきっかけにしていただけたら」と語った。

 周囲から「あまり考古学や歴史学をテーマにしたデザインは見かけないから、ニッチだけどおもしろい」との声を受け、本格的に歴史意匠デザインを追求して、今年で10年。自身のデザイン作品を含め13人のクリエイターによる考古学モチーフグッズを集めた期間限定イベントを12月1日まで奈良市内で開催している。

 昨今の古墳ブームも相まって、初日から客が途切れることなく来店。金田さんのファンだという40代女性も、「古墳だけでなく、実際に発掘して出てきたものがさり気なくかわいいモノになっていておもしろい」とその魅力を話した。

 「藍寧舎 期間限定ショップ」は、「ナラマチギャラリー2016」(奈良市公納堂町)で12月1日まで(昼11時~夕方5時)。

藍寧舎 期間限定ショップ http://ranneisha.com/

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