沖縄県久米島で保護された、小さな野良猫…はるばる神奈川県にやってきて幸せをつかむ

渡辺 陽 渡辺 陽

とろろちゃんは、沖縄の久米島で生まれた野良猫の子猫だった。久米島では里親さんが見つかりにくいので、はるばる神奈川県の猫カフェまでやってきて里親さんを探した。

みたらしちゃんを溺愛するあまり

2018年9月、鈴木とろろちゃんは、野良猫生活をしていたが、沖縄県久米島で猫の保護活動をしている人に保護された。久米島にいてもなかなか里親さんが見つからないため、横浜にある保護猫カフェまでやってきたという。カフェでは、人になれるよう訓練しながら里親さんを探した。

一方、神奈川県に住む鈴木さんとパートナーの中島さんは、みたらしちゃんという保護猫を飼っているが、みたらしちゃんを溺愛するあまり、万が一みたらしちゃんが亡くなってしまったら、2人とも仕事に行けない、生きていけなくなるという恐怖心があった。

「みたらし1匹との暮らしもいいのですが、何匹か飼ってみたいという夢もありました。ただ、部屋の広さを考えると2匹くらいがちょうどいい、2匹までなら面倒を見られると思ったんです」

他の猫にぐいぐい押しのけられていた可愛い猫

2019年1月下旬、2人は譲渡サイトで横浜の保護猫カフェにとろろちゃんがいることを知り、会いに行ってみた。

「初めてとろろに猫カフェで会った時、文句なしに可愛いと思いました。その猫カフェでは、猫におやつをあげられるのですが、寄ってきてくれたんです」

とろろちゃんは、生後4カ月。アレルギーがあるため里親さんが見つかりにくかった。

「他の猫より身体が小さく、体重も1.5㎏あるかないか。だいぶ力も弱かったんです。おやつをあげても他の猫にぐいぐい押しのけられてしまう。そんなところが可愛かったんです」

その後、鈴木さんたちは、2、3回とろろちゃんに会いに行き、2019年2月、2週間のトライアルを経て、正式に譲渡してもらった。

楽しい多頭飼い生活

猫カフェで会った時は人なれしているように見えたが、家に来るとケージの中でブルブル震えていた。2日目くらいにやっとおやつを食べてくれた。

それでも、猫カフェで人や他の猫に接していたので、とろろちゃんは瞬く間にのびのび生活するようになった。先住猫のみたらしちゃんとは、ケージ越しの対面から初めて、少しずつ慣らしていったが、みたらしちゃんがシャーシャー言っても、ケージ越しにごろんと横になり、ゴロゴロゴロと喉を鳴らしていたという。

鈴木さんたちは、猫の多頭飼いをするのは初めてだったので、みたらしちゃんが受け入れてくれるのか心配した。ケージの外に出して対面させるまで1カ月くらいかけた。

みたらしちゃんをなでているととろろちゃんが割り込んでくる。みたらしちゃんが怒ってけん制することもあったが、最近は、みたらしちゃんが穏やかになり、とろろちゃんのグルーミングをすることもある。

「2匹の性格の違いを発見するのも楽しいんです。2匹いると追いかけっこをするので、運動不測の解消にもなります」

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