東京都に住む岡田さんは、先住猫のチロちゃんを飼っている傍ら、近隣で暮らす3匹の野良猫の様子も見守っていた。3匹のうち1匹はおはぎちゃんという子猫だったが、右脚を骨折していた。引き取りたいけど引き取れない、岡田さんは悩みに悩んでいた。
健気に生きる野良猫たち
チロちゃんという白猫を飼っている岡田さん。さらに、家の中にも出入りしていたいなりちゃんという猫を家猫にしたいと思っていたが、ご主人が反対していた。ある時、ひじきちゃんという黒猫の野良猫が1匹の子猫(おはぎちゃん)を連れてぴったりくっついて歩いていた。2匹といなりちゃんは仲が良く、一緒に遊んでいたという。
2018年11月下旬、アパートのゴミ捨て場にある用具置き場で、おはぎちゃんがうずくまっていた。
「お母さん猫のひじきちゃんと一緒にいなかったので、いつも一緒だったのになんでだろうと不思議に思いました。なんとなく具合も悪そうだったんです」
骨折していた
その数日後、岡田さんは、いなりちゃん用の段ボール箱を置いたが、そこにおはぎちゃんが入っていたので、おはぎちゃんを出そうと思った。その時、岡田さんは、おはぎちゃんの右脚が折れていることに気が付いた。捕まえようとすると遠くに行こうとするが、足が思うように動かず行けないようだった。
「最初、気づいた時には、あまりの衝撃に涙が抑えられませんでした。屋上におはぎ用に段ボール箱を置いて保護してごはんをあげたのですが、捕まえることはできませんでした」
いつもそばにいたお母さん猫は、脚を骨折しているおはぎちゃんから逃げるようになった。歩き方がおかしいので、生きていく力がないと思ったのかもしれない。おはぎちゃんは、ひとりぼっちで、ぽつんとしていた。
「脚の痛みより、お母さん猫が離れて行ったことが辛かったと思います。でも、いなりちゃんがそばに寄り添ってくれていたんです」