スーパーで働いて分かった「お得な広告の読み方」…季節の変わり目には掲載されない「在庫処分品」も

平藤 清刀 平藤 清刀
広告を読みこなしてお得な買い物をしたい
広告を読みこなしてお得な買い物をしたい

スーパーで買い物をする前に、広告やチラシをチェックして、安く手に入る食材を組み合わせた献立を考えれば節約上手に。とある店舗でアルバイトをしていた経験から、広告のお得な読み方を紹介したい。そして、季節の変わり目には、広告に載らないお買い得品が在庫処分で出ることもあり、見逃せない。

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夕食の献立を決めるとき、どのような順序で考えるだろうか。「食べたいものを優先」「スーパーへ行ってからぼんやり考える」「献立を決めてから買い物に出かける」など、決め方は人によりさまざまだ。

では、どういう決め方が食費を節約しやすいかというと、広告をチェックしてから買い物に出かけるのが良い。広告にはその日安くなっている食材や商品が「お買い得品」とか「セール」と銘打って掲載されているので、それらを上手く組み合わせれば、お得で美味しい夕食ができるはず。

その広告にも、読み方がある。安い商品を、ただ並べて載せてあるわけではないのだ。

スーパーがお買い得商品を設定して広告を打つ理由は、ひとえに集客のためである。じつをいうと土日はさほど苦労しなくても、来店者数は平日より多い。問題は週半ばの広告が入るまでの月曜・火曜だ。平日だから、どうしても客足が鈍くなりがち。そこで、土曜日の広告をよく見てもらいたい。「月曜だけ」とか「火曜だけ」の限定商品が設定されている場合がある。これを見逃して土曜とか日曜に定価で買っていくのは、ひじょうにもったいないと思う。

広告をチェックする際には、お買い得の商品が広告の期間中ずっと安いのか、それとも日が限定されているのかということも注意して、広告を「読みこなす」ことが大事なのだ。

お買い得といえば、このように広告に注目することも大事だが、じつは広告に載らないお買い得品が出ることがある。閉店間際の値引きシールではない、知る人ぞ知る期間限定のお得情報だ。

それは「シーズンが過ぎた商品」のこと。

スーパーの食品部門の中でも、とくに惣菜売り場では、季節に合った商品を出す。たとえば、バレンタインデーが近づくと「ハート形のコロッケ」、夏には「うな重」、秋には「松茸ご飯」や新じゃがを使った「ポテトサラダ」など、季節のイベントや旬の食材を使った惣菜の仕入れを増やす。これらはシーズンが過ぎると、次のシーズンに向けた新商品と入れ替える。在庫は売り切ってしまいたいが、スペースの限られた売り場に、いつまでも出し続けることができない。だから次のシーズンの商品が出る頃に、売り場チーフの判断で、お買い得品として在庫を放出することがある。在庫といっても、ついこのあいだまで売り場の主役だった商品だから、鮮度が落ちたり古くなったりしているわけではない。

そんな事情を知っているお客さんがいて、季節の変わり目になると売り場をチェックしに来る。

「売れ残ったやつ、そろそろ安くならへんの?」

売れ残りとは人聞きが悪いが、そうやって虎視眈々と狙っているお客さんがいるくらい、隠れたお買い得品なのだ。ただ、あくまで在庫処分であることと、放出する時期は全体の売れ行きを見て売り場のチーフが判断するので、時期は一定しない。だが、こまめに売り場をチェックしていると、掘り出しものが安く手に入るチャンスでもある。

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