濃い霧の影響で京都行き電車がたびたび遅れ、建設中の府立京都スタジアムでサッカーの試合をしたら中止にならないか―。京都市郊外の京都府亀岡市に住む漫画家グレゴリ青山さんと市民らが、地元ならではのエピソードを漫画冊子「ナマの亀岡」にまとめた。亀岡盆地特有の濃霧と共にある生活を自虐的に紹介しながら、隣接する大都市・京都市にはない魅力をユーモラスに描いている。
昨年11月に漫画教室を開いたグレゴリさんと、参加した主婦や親子など女性6人が共同で制作。初心者だったメンバーも、自身の体験を漫画にする面白さにのめり込んだ。教室は1日限りのはずが毎月開催となり、冊子にまとめることになった。
冊子では亀岡市民を「亀人(かめじん)」と表現。ほのぼのとしたタッチの漫画で、霧が出る時期には洗濯物が乾かず、JR山陰線が徐行することを描く。保津峡を挟んで遠い田舎のイメージを強調されるなど、京都市民から受ける「カメオカハラスメント」を特集したページが亀人の共感を呼ぶ。落ち着いた田園風景など、住み慣れた土地への愛着もにじませる。
グレゴリさんは「笑えるストーリーは地元愛の裏返し。亀人にはもちろん、亀岡のことを知らない人にも読んでほしい」と話す。
42ページ。かめおか霧の芸術祭実行委員会が発行。300円。JR亀岡駅観光案内所物産店かめまるマートや亀岡市内の主な書店などで購入できる。