流通アナリストの渡辺広明氏が「ビジネスパーソンの視点」から発信する今回のテーマは「Wi-Fi」。スマホ社会における、日本のWi-Fi環境について検証した。
◇ ◇ ◇
世知辛いですが、海外に出張するとスマホの充電やWi-Fiばかり気にする自分がいます。東京五輪に向けて爆増する訪日外国人も同じ状況。Wi-Fi後進国なんて悲しい汚名を着せられ、訪日外国人のストレスも溜まっているようです。
日本ではWi-Fiスポット数の問題というよりも、出力上限レベルがアクセスポイント(AP)から50〜100メートルしか届かないため、使用できるエリアが限られてしまうという弱点があります。
海外では自宅の無料Wi-Fiが自宅を出てバスで1キロ先の職場に行っても通じているなんて国もあり、無料Wi-Fiだけでスマホ生活を送るツワモノもいるらしいので。
また、無料Wi-Fiは利用に認証や登録で手続きも面倒というのも大きかったが、訪日外国人向けにNTTBPの、コンビニ・駅・空港・小売飲食店など17万スポットの無料Wi-Fiを1回登録するだけで通じるアプリ"Japan Wi-Fi"があり、その不満を解消しています。日本人も利用でき、大変便利で僕も利用しています。
複雑な料金体系とお客さまの囲い込みで問題になっている携帯料金も、世帯支出(消費支出2人世帯以上)の4%強を占めるまでになり、見直しが図られつつあります。特に若者の負担は問題で、データ量を使いきったギガ難民は、コンビニの無料Wi-Fiを店頭やイートインでYouTubeを見るなんて光景も時折見かけます。
災害時の情報のあり方も、千葉の台風被害の被災者のご苦労により顕在化しました。
「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)が災害時には無料Wi-Fiが事前登録や申し込みなしで誰でも使えるようになり、メールやSNSでの安否確認、WEBサイトによる災害情報の収集なども可能となりました。停電による充電の問題も自治体およびコンビニが電池式充電器を今後備える方向性も示されました。
現代社会、情報は生活に欠かせないものとなり、〝衣食住〟が〝衣食住情〟に変化したのは間違いありません。