「あなたは1カ月前の夜、いつもと違う電車の駅を使いましたね。どこに行く予定だったのですか?」…突然そんな質問をされたら、あなたは覚えていますか? あなたが答えることができなくても、あなたの手元にあるiPhoneは覚えているかもしれません。設定を変更していなければ、過去50日ほどの間に行ったことのある場所を、自動で記録する機能があるといいます。あの夜出かけた場所だけでなく…勤め先、自宅の位置もしっかりリストに載っていますよ。あ、なんかちょっと怖いかも…。
こちらはiPhone・iPadを動かしているiOSの「設定」内にある「利用頻度の高い場所」で確認できます。ちょっと階層が深いのですが、下記でたどり着くことができます。
「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」→位置情報サービスがONになっている場合「システムサービス」→パスコードなどの認証を経て「利用頻度の高い場所」。
こちらの機能がオンになっていると、そこには過去50日ほどの間に出かけたおもな場所が、 おおまかな住所と訪問頻度とともにリストになって掲載されているそうです。各項目を開くと、場所のおおまかな地図と、訪問した日時などが表示されます。
筆者の場合も開いてみてびっくり。普段使わない路線の駅が入っていたので開けてみると、おおっ!めちゃくちゃピンポイントな日時が出ているじゃありませんか…。もちろんこの先にたどり着いた場所も…おおっ、おおっ、おおおおおっ!…どれだけの期間の情報が記録されているのかは判断できませんでしたが、位置や頻度はしっかり記録されていました…。
ITジャーナリストの三上洋さんによると、「この機能は前からあるのですが、意外に知らない人が多いですね。セキュリティのことを考えてもらうきっかけに、セミナーや公演などでよく紹介します」といいます。そうですよね、こんな設定の深い場所、そうそう開くことなんかありませんし…。こんな機能が標準でオンになっているのもドキドキします。
なお、この情報は端末の中に記録されているだけで、インターネットには送信されていないといいます。「気持ちは悪いかもしれませんが、ネット上に個人情報が流出しているわけではありません。しかし、端末自体を自分の身近な人に見られたりすると、トラブルのきっかけになるかもしれません」と三上さん。「端末に重要な情報が記録されているリスクを理解し、盗られたり紛失したりしないように注意するとともに、端末にはしっかりとロックをかけておくことが大切です」