東京都内の地下鉄構内にある出口の行き先を示す案内板の矢印がSNSで話題になっている。矢印が左斜め下を指し、その先に小さな扉があることから、ツイッターでは「(出入りするには)難易度が高い」「出口が小さすぎて」といったコメントが書き込まれていた。さっそく現場で実態を確かめた。果たして、時空のゆがんだ「都会のエアポケット」に迷い込んでしまうのか!?
話題の案内板は大江戸線の新宿西口駅構内
ツイッターで話題になっている案内板は、都営地下鉄大江戸線の新宿西口駅構内にあった。他の出口を示す矢印はおおむね平行だが、「D5出口」の行き先を示す矢印だけが左斜め下の路面を指している。矢印の先には小さなステンレス製の扉があった。
その扉は、通路の床から50センチくらいの位置にあり、そのうち下部は格子状の通風孔のようになっていて高さ約10センチ、上部の扉部分は高さ約40センチ。横幅は約50センチ。人間の大人が腰をかがめて扉を開け、路面に腹ばいになって通り抜けできるかというと、極めて難しそうだ。というか、そんなことはありえない。
「猫の抜け道かよ」「ロックを外すと隠し扉が開くんだよ」
ツイッターには「猫の抜け道かよ」「そこでロックを外すと隠し扉が開くんだよ」「それはダミーで壁の一部が動くのではないでしょうか」といったコメントがあった。この画像から喚起されたイメージを膨らませて楽しんでいるようだった。
だが、現場に行くと、そんな発想は全く起きなかった。すぐ左手にある柱にも同じく左斜め下を指す矢印があり、その先には下りのエスカレーターがあった。なんのことはない、この斜線の矢印は「エスカレーターで下ってください」ということだった。
エスカレーターを下ると同駅の改札があり、今度は右斜め上を指すD5出口の表示に従って上りの短いエスカレーターを乗り継ぐと、地上の小滝橋通り(新宿区)に出た。最初に見た当該の案内板からの所要時間は3分弱。D5出口に至る合計5つの案内板はいずれも見やすい場所に設置されて指示も的確で、4つのエスカレーターを乗り継いでスムーズに移動できた。