都会の迷宮への入口か!? SNSで話題の「新宿D5出口」の真相を探った

北村 泰介 北村 泰介

運営する都営交通に聞いた

 現場に足を運んだことによって、ツイッターの反応とのギャップを感じた。そこで、運営する都営交通に聞いた。

 担当者はSNSで取り上げられた今回の件について「特にコメントすることはございません。お客様からの反応はありません」と回答した。投稿の肝(きも)である「矢印の先の小さな扉」については「当該扉は点検口で、壁の内側にある排水溝を点検・清掃するためのものです」と説明。「そのため、お客様は触れないようにお願いいたします」と呼びかけた。

 新宿西口駅の開業は 2000年12月。東京五輪・パラリンピックが開催される来年には20周年を迎える。担当者は「今後とも、お客様に分かりやすい案内サインの掲示に努めてまいりたいと思っております」と意欲を示した。

 取材を終えて考えた。SNSに投稿された案内板の画像は「木を見て森を見ず」という言葉における「木」だった。空間からの画像の切り取りは、対象を「作品」として面白くする技法でもある。案内板の矢印と小さな扉が「たまたま」うまく重なって、そこに「意味」が生じたことにより、想像が膨らんだわけだ。だが、現場で「森」(全体)を見れば、表示の矢印が左下方向のエスカレーターを指していることが容易に分かる。真相を知りたければ、やはり現場に行くしかないと実感する一件だった。

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