「ドラえもん」17年ぶりの“里帰り” 「四次元ポケット」な現代アート展とは

 「ドラえもん」を題材にした現代アート展「THE ドラえもん展 OSAKA2019」が、9月23日まで大阪文化館・天保山にて開催中だ。同展は「あなたのドラえもんをつくってください。」というお題のもと制作された、日本を代表するアーティスト28組による「ドラえもん」への想い溢れる作品を紹介するもの。大阪が会場となったのは、前身の「THE ドラえもん展」が初開催された2002年以来で、実に17年ぶりの“里帰り”となる。

 開催に先立ち行われた内覧会では、登壇した参加アーティストの森村泰昌氏、増田セバスチャン氏からその『ドラえもん』愛を感じ取りつつ、会場の全貌をうかがうことができた。

 「THE ドラえもん展 OSAKA2019」の世界へと来場者を迎え入れるのは、村上隆氏による2作品の役目だ。

 特に縦3メートル、横6メートル超にも及ぶ壁一面の大作「あんなこといいな 出来たらいいな」では、村上氏の代表的キャラクター「お花」が咲き乱れる中にあんなドラえもん、こんなドラえもんの姿を見つけ出せる。

 なおドラえもんたちの輪に原作者の藤子・F・不二雄が加わっているのは、「キーになるのは『藤子先生』ご本人」という村上氏の気づきから。「絵に魂が入った」秘訣だ。

 

  森村氏は原作漫画から気に入ったセリフのあるコマを抜き出し、コイケジュンコ氏とのコラボで紙製の「空(くう)を越えるドラス」と「時(とき)を駈けるドラス」を生み出した。

 大阪府出身だけに、記者発表会では「やっと大阪に『THE ドラえもん展』がやってきた」と感無量だった森村氏。「時間と空間を自由に飛び回れる」から好きだという「タイムマシン」と「どこでもドア」を取り入れた作品を送り出し、「展覧会そのものが『四次元ポケット』のよう。たくさんの関西の人が見に来てくれたら」と呼び掛ける。

  「ドラえもんと同い年(1970年誕生)で、のび太と同じ誕生日(8月7日)。僕は生まれながらのドラえもん好き」と挨拶して笑いを誘った増田氏は、「本当は奈良の大仏ぐらい大きくしたかった」という高さ2メートル60センチの巨大なドラえもん「さいごのウエポン」を制作した。

 原宿KAWAII文化の旗手らしさも垣間見えるピンク主体のボディは「僕のドラえもんはこの色」だから。オリジナルより茶目っ気のある表情には、「小学校で一番上手くドラえもんを描けた」当時の筆致が反映されているそうだ。

 また同展では、会場に隣接する「THE ドラえもん展カフェ」も大きな見どころとなる。フードにドリンク、デザートまで取り揃えられた6種類のコラボメニューは、鼻がプチトマトの「ドラゲリータ~ドラえもんピッツァ~」などそれぞれドラえもんの表情が愛らしい出来栄え。

 この展覧会は写真撮影OKを掲げているのが特徴だが、会期中はこちらでも盛んにシャッターが切られるはずだ。このほか物販では、特に大阪会場から登場する新グッズを中心に『ドラえもん』ファンの視線を集めていくだろう。

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