遠藤久美子、夫の監督作でありえない赤裸々状況?「夫婦の会話もそのまま」

石井 隼人 石井 隼人
映画『こはく』に出演する遠藤久美子(撮影:石井隼人)
映画『こはく』に出演する遠藤久美子(撮影:石井隼人)

完成した作品を観たときに感じたのは、気恥ずかしさではなく、不思議な感慨だった。「作品として観たときに恥ずかしさはなくて、自然に観ることができました。それはきっと自分が自然だったから。主人から見ると私ってこう見えるんだぁと、作品を通して自分自身を知るという不思議な感覚になりました」と貴重な経験になった。

平成の“エンクミ”ブームから早20年超。「当時は毎日一生懸命でした。普通の高校生が芸能の世界に入って毎日違う人と会って、毎日違うことをして。まさに無我夢中。当時の映像や写真を今見ても初めて見たような感覚があって、それくらい振り返る時間も余裕もなかったんだと思います」と打ち明ける。強烈な記憶として残っているのは、仕事の移動のために初めて飛行機のファーストクラスに搭乗したとき。「自転車ばかりだった女子高生が急にビジネスマンしかいない様な場所にポツンと座っている。その状況に『私は何故今ここにいるのだろうか…』と呆然となりました」と振り返る。

そんな違和感を持ちながらも、長く続けてこられた秘訣は「何も考えていなかったから」と笑い飛ばす。「例えばバラエティ番組では、ディレクターさんがいてその番組の色があって、出演者もその色に沿って作り上げていると今では理解できますが、当時は右も左もわからなかった。でもそれが良かったんだと思います。そうではなかったら、自分の見せ方を意識しすぎて息苦しくなっていたはずだから」と自然体が功を奏したと分析する。『こはく』同様、現在の遠藤は妻であり、一児の母親。お腹には新しい命も宿っている。エンクミとしてもママとしても自然体を忘れずに歩んでいく、これからも。

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