耳に障害を持つフレンチブルドッグのしつけ あるトレーニングで克服

岡部 充代 岡部 充代

 犬を飼うと、大半の飼い主さんは「オスワリ」「フセ」「マテ」などを教えます。人間社会で一緒に生きていくには、事故やトラブルを防止する意味でとても大事なトレーニングだからです。教えるときは、指を立てたり、手のひらを見せたりする「ハンドシグナル」と一緒に言葉も付けるのが一般的ですが、もし、あなたの愛犬が耳に障害を持っているとしたら、どのようにして教えますか?

 

 フレンチブルドッグの天君は2歳の男の子。生後半年を過ぎてもペットショップのショーケースから出られなかったのは、「耳が聞こえづらい」という障害を持っていたからかもしれません。東大阪市内に住むMさんは、ショップ店員から「音に対する反応が鈍い」と説明を受けましたが、「ショーケースが小さくてかわいそう」と、飼うことを決めました。

 トイレのしつけはすぐにできましたが、「オスワリ」や「マテ」の教え方が分からなかったMさんは、ドッグトレーナーを頼ることにしました。依頼を受けた平口紗那さん(Wags Tail代表ドッグトレーナー)は、まずハンドシグナルを使って天君にトレーニング。すると、すぐに「オスワリ」や「フセ」ができるようになったそうです。

 問題はここから。経験豊富な平口さんも、耳の不自由な犬のトレーニングは初めてです。「全く聞こえないのか、聞こえづらいのか」を見極める必要もあり、トレーナー仲間から情報を集めたところ、「犬笛を使ってみては?」というアドバイスを受け、試してみることにしました。

 犬笛とは、動物の訓練などに使われるホイッスルで、平口さんは長さを調節することで音の周波数を変えられる犬笛を購入し、天君が聞き取れる周波数を地道に探しました。すると、ある高さの音に天君が反応! つまり、天君は「聞こえづらい」だけだったのです。

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