秋篠宮ご夫妻の長女眞子さま(27)と小室圭さん(27)の婚約が延期となって久しい。宮内庁は昨年2月、結婚式など関連する儀式を2020年まで延期すると発表した。秋篠宮ご夫妻は、小室さんの母親の「金銭トラブル」の解決を望んでいる。障害となっているのは母親が元婚約者から「もらった」とする400万円。元婚約者側は「返して欲しい」としている。何らかの解決策はあるのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に聞いた。
◇ ◇ ◇
小室さんは今年1月22日、母親の佳代さんと元婚約者との金銭トラブルについて「すべて解決済みであることを確認した」とする文書を公表した。一方で元婚約者は「解決していない。交際中に渡した金を返して欲しい気持ちは変わらない」と反論している。
小室さん側は「借金ではなくもらったもの。贈与」と主張し、元婚約者側は「あげたつもりはない。返して欲しい」と主張している。
贈与と借金の法的違いについて北村弁護士は「民法上の贈与契約であれば、当然ですが返す必要はありません」とし、これに対して「貸したものは、すなわち金銭消費貸借契約であれば返さなければいけない」と述べた。
一般論だが、男女関係においては当初は贈与だったり、性質が不明確だったものが、関係が悪化した後に「貸したものだから返してほしい」と紛争になるケースは決して珍しいことではないという。その場合、裁判所は贈与なのか貸したものなのかをどのように判断するのか。
北村弁護士によると、「契約書を作ったかどうか」、「借用書の有無」、「何月何日までに返しますなどと返済の約束をしたか」、「関係が良好な段階で返済を求めたか」など、貸し借りであれば当然しているはずの行動があるかどうかが判断される。それがまったくなければ「贈与」と認められる可能性が高いという。裁判所が「贈与」と認めれば、当然、返済する法的義務はない。
他方、本件においては仮に「貸したもの」と認められても、小室圭さん本人には母親の借金を返済する法的義務はまったくないという。北村弁護士は「これは法的に100%正しい」と述べた。
つまり、小室圭さん本人としてみれば、400万円が贈与なのか借金なのかに関係なく返済する法的義務はない。そのお金によって自分自身が大きな利益を得たとしてもだ。
しかし、事は法的な側面だけではない。秋篠宮さまは昨年11月の記者会見で「2人が結婚したいという気持ちがあるのであれば相応の対応をすべき」「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、婚約にあたる『納采(のうさい)の儀』はできない」と断言した。なんらかの解決策はあるだろうか。
北村弁護士は「弁護士は一般にこういうケースで小室さんのような立場の人から相談を受けた場合、まずは法律問題を説明した上で、『ところで結婚したいのですか』と質問します。仮に本人が結婚したいと答えたなら、一括で払うことができないのであれば頭金を30万円でも作って、残りはアメリカの大学を卒業したら月々分割で5万円でも払ったらいかがですかとアドバイスをするでしょう」と案を示した。
さらに北村弁護士は「こういう場合、娘の父親は『法的に正しい主張をしているか』ではなくて、『大切な娘を託すにふさわしいかどうか』を真剣に考えています。相手が出してくれたお金によって高等教育を受けることができたことに感謝し、解決金を支払うことでその恩に報いる人ならば『娘を託すにふさわしい』と考えてくれるでしょう。それが娘を持つ父親の考えですよとアドバイスします」と述べた。
北村弁護士は自身も娘を持つ父親であることから、以上のように述べた。
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