神奈川県横須賀市で開催されたスマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」のイベント「Pokemon GO Safari Zone in YOKOSUKA」(8月29日~9月2日)が5日間で20万人以上を動員した。ポケモンGOの国内リアルイベントは昨年8月の横浜と同11月の鳥取砂丘以来で、「街おこし」という側面にも着目しながら現地で見聞きした様子をリポートする。
3世代ファミリーの姿も
「横須賀」という地名を聞くと、山口百恵やダウン・タウン・ブギウギ・バンドのヒット曲を連想するガラケー愛用の“昭和脳”である記者が、間違いなくアウェー感ハンパなさそうな現場に向かった。会場は三笠公園、ヴェルニー公園、くりはま花の国という市内の3公園。クレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」を脳内再生し、そのままドン突きの三笠公園へ。園内2カ所のチェックインポケスポットで人の群れに混じった。
抽選に当選したトレーナー(ポケモンを取り扱う人の総称)が指定場所でチェックインすると、「アンノーン」や「トロピウス」というレアなポケモンが入手できる。「キャモメ」「ヒンバス」「アチャモ」「ナマケロ」「ダンバル」「ラルトス」なども~という説明を聞いても、その“ありがたみ”が分からない。ならばと、その行為に熱中する「ヒト(人)」に注目した。
参加者が若いという先入観は現場で打ち砕かれた。「レアポケ湧いてて楽しいっす」という20代がいる半面、明らかに50~60代とおぼしき男女も少なくない。スマホを手にチェックインしていた女性は「群馬県から来ました。私の年ですか?60代ということで」。夫や娘夫婦、孫と合流し、「横須賀で観光もしたいですね」と計5人の3世代ファミリーで会場を後にした。
街も歩いた。ドブ板通りでスカジャンを見繕い、よこすか海軍カレーやネイビーバーガーといったご当地グルメを味わって…。実際、横須賀ならではの飲食店に行列ができた。今年で創業50周年のアメリカンダイナー「ハニー・ビー」も同様で、スタッフは「土日はともかく、平日ここまで並ばれることはないですね」。初日の夜7時過ぎ、運よく入店できた記者は海軍カレーを注文したが、それを最後にライスがなくなるほどの盛況だった。