北海道地震の被災地をレポートして分かった大切なこと

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北海道胆振東部地震の被災地で現地取材を行った林アナウンサー。写真はむかわ町での様子(C)ラジオ関西
北海道胆振東部地震の被災地で現地取材を行った林アナウンサー。写真はむかわ町での様子(C)ラジオ関西

 むかわ町から今度は安平町に向かう。安平町についたのは、薄暗くなった頃。この町はボランティアセンターの立ち上げがとても早かった。地元にある学校法人の職員が中心となり、地震発生の2日後にセンターを立ち上げ、翌9日に受け入れをスタート、10日から公式に活動を始めた。立ち上げに関わった担当者は「被災者が何を求めているのかを聞き取りながら、動きながら考えている」と話す。

 もうひとつ、この町で注目すべきことは、避難所。安平町内の花園と若草という2つの町内会が活動拠点にしている「花若会館(公民館のような施設)」には、地震直後から住民が集まり始めた。この町内会では日頃から町とともに防災訓練を行ったり、お祭りなどの行事を年間20回以上も行っている。子供から高齢者まで、普段から顔の見える関係を築いていた。安平町の関係者は「避難している人たちの食事風景はまるでクリスマスパーティのよう」と言う。町内会の役員にそのことを尋ねると、「そう見えるかもしれない。みんなでこうやって集まって食事をすると、不安も和らぐ」と笑顔が返ってきた。

 地震や台風などの自然災害が多発している。ハード面の強化や対策はもちろん必要だが、これらには多額の費用と時間がかかる。しかし、安平町で出会った人たちは、被災しているにもかかわらず、笑顔が見られた。やはり、いざというときに頼りになるのは人と人のつながり。安平町の花園・若草地区の取り組みは、防災・減災対策において「本当に大切なこと」を私たちに示していると感じた。(ラジオ関西・林真一郎アナウンサー)

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