「小さな足あとが教えてくれた！」
能登半島地震が発生してから25日経過した1月25日。1月2日から数えて4度目の被災地でのペットの捜索で、大雪の中、石川県珠洲市蛸島（たこじま）町の行方不明だった飼い猫2匹を無事保護したと、つかねこ動物愛護環境福祉事業部さん（@tsukaneko222）がInstagramで報告。
投稿には「こんな大雪の中 頑張って生きててくれて 良かった！ 」「感謝しかないです」「お寒いなか大切な生命を助けていただき有難うございます」などと感激する人たちからたくさんのコメントが寄せられています。
つかねこさんは、兵庫県尼崎市の動物愛護推進員のメンバーらが複数所属する団体。TNR活動をはじめ犬猫の保護譲渡会運営、動物愛護の啓発活動などに取り組んでいます。今回、石川県能登地方を震源とした震災を受け、行方不明になった飼い猫たちを捜索しているといいます。
見つかった猫は、薄いベージュとグレーとホワイトの三毛猫にゃんにゃんちゃん（雌・4歳）とスコティッシュフォールドのメリーくん（雄・2011年生まれ）の2匹。にゃんにゃんちゃんたちを見つけることができたきっかけは、雪に付いた小さな足あとでした。保護時のことや2匹が25日間生き延びられた理由などについて、つかねこさんに聞きました。
飼い猫2匹が25日間生き延びられたのは？
──1月2日から被災地でのペットの捜索活動に乗り出したのは。
「自分がもし同じように被災してしまったらおそらく大切なペットも助けてほしいと思うと感じたからです。人間は72時間というひとつのリミットがあり、自衛隊や消防、懸命な救助活動が行われますが、動物たちも同じで命のタイムリミットがあると思います。被災されて避難所にいる方々は家に置いてきた猫たちのことを、懸命に人命救助されている自衛隊や消防隊員に相談するのをためらいます。なので、ペットの災害救助を求める声や捜索依頼など私たち団体の元にたくさんのDMが届いていました」
──1月25日には、にゃんにゃんちゃんとメリーくんを無事保護できました。
「本当に生きててくれてありがとうと思いました。現地は吹雪もひどくとても寒かったんですが、前日は雪がなく路面がむき出しになっている状態でした。でも、その日の夜から積雪があったのでメリー、にゃんにゃんの足あとをきっかけに生存を確認できて救助につながったんです。日数経過すればするほど、人がいなくなるので猫たちの動線情報も分からず、救助が困難になってしまうと感じます。雪が積もると逆に足あとで追跡できる面もあり、今回保護することができたのは足あとのおかげです」
──25日間もどのように飢えをしのんで生きていたのでしょうか？
「蛸島は漁港が近くなので、野良猫が多く確認はできないですが、ご飯をあげている人がいる可能性もあります。家屋は全体の9割が全壊しています。電気もきておらず、日中だけ荷物の整理に来る方が何人かいるので、その人たちがご飯を置いていってくださったのかもしれません」
──にゃんにゃんちゃんたちの様子や健康状態は。
「保護時のにゃんにゃんは、とにかく鳴きまくってました。病院では1キロの体重減と脱水症状、毛玉がすごくてしばらく病院で預かってもらっています。ストレスがあったようで情緒不安定で鳴きまくっているのだろうと獣医の先生はおっしゃっていました。保護した夜は飼い主さんの側で寝ていたそうです。メリーは特に体調不良などは見られず、病院での診察では若干体重は減っていましたが、毛並みもいいので特に問題なしということ。しかし少し前から頭頂部に円形脱毛症のようなハゲができまして、環境の変化などのストレスが出てきたかと思います。今はよほど寂しかったのか常に飼い主さんの側にいると聞いています」
──これまで被災地で救助された猫は何匹くらい？
「20匹前後です」
──今後の被災地での活動予定は。
「今も自分たちがペットを探したくても探せない被災された飼い主さんたちのために、手足になれればと思って動いています。そんな声が少なくなっていけば自然と被災地への訪問回数は減っていくと思います。ただ、その後もできることがあれば飼い主さんたちと動物の支えになっていければと思います」
足あとを頼りに見つかった飼い猫2匹。にゃんにゃんちゃんは人見知りがすごく、知らない人が来ると隠れてしまう猫ちゃん。でも、飼い主さんのことを親と思っているのか？付きまとったり、就寝時はピトッとくっついて眠ったりしているとか。一方、メリーくんはおっとりした寂しがり屋さん。常に人のいる所に一緒にいる猫ちゃんだそうです。
つかねこ動物愛護環境福祉事業部さんのInstagramアカウント（@tsukaneko222）
