「ズルい名刺」ブランディングに効果的 社長やコンサルに人気

桑田 萌 桑田 萌

 ビジネスの場では欠かせない、名刺交換。しかし定型化した交換方法や暗黙のルールに縛られすぎて、会話が弾まない。そんな経験はないだろうか。そんなお悩みを解決するのは、交換するだけでコミュニケーションが生まれる「ズルい名刺」。渡す人の個性が打ち出されているため、ブランディングに役立つと経営者やコンサルの間で話題だ。

 「ズルい名刺」を制作しているのは、デザイン専門事務所「ヤオヤ」のくわたぽてとさん。名刺には会社名・名前・連絡先等が記されているのが一般的だが、「ズルい名刺」には「ペンギン好き」「家族はみんなO型」「夢は陶芸家」といった興味を引くような情報が記されている。デザインは、自身の個性が強烈に打ち出された完全オリジナル。手に取った人は思わず「この名刺、面白いですね」と言いたくなる。「ズルい名刺は、信頼関係を早く構築するためのきっかけになります。気軽に会話が始まり、自分の価値観を相手に伝えることで、ビジネスも発展しやすくなるんです」(くわたさん)。

 中でもユニークな事例が、「ガチャガチャ方式」の名刺だ。市販されているおもちゃのガチャガチャに名刺を入れ、20円を払うと出てくる。名刺には複数パターンあり、制作依頼者の人生の節目を映した写真が掲載されていて、どれが出てくるのか分からないワクワク感を味わえる。

 「写真の名刺は経営コンサルタントの名刺。子どもの頃の写真を載せるなど、生い立ちの話で盛り上がれる仕掛けをしています。相手に20円を払ってもらうという行為もコンサルタントという職業と合致しているかなと。そこまで考え、名刺の渡し方からデザインしました」

 くわたさんが名刺制作を専門にし始めたのは、自身の悩みがきっかけだったという。かつてはWEBや内装のデザイナーとして、さまざまなデザインの仕事をしていたものの、「あなたが一番得意なことは何?」と聞かれて答えに詰まった。

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