スウェーデンの研究で、幼少期から犬や猫に触れる機会が多い人ほど、将来、犬や猫アレルギーになりにくいという結果が出たそうです。大阪の太融寺町谷口医院の谷口恭院長に話を伺いました。
花粉症と犬・猫アレルギー
--犬や猫アレルギーで悩んでいる人は多いのでしょうか。
谷口恭院長(以下、谷口) 患者さんは、決して少なくありません。なかには、トリマーやペットショップの従業員など、動物と接する仕事をしている人もいます。簡単に別の仕事に就くわけにもいきませんし、もともと犬や猫が好きで、その仕事を選んだ人が多いので、プライベートでも犬や猫を飼っている人が多いのです。
--犬や猫に長時間接していると、アレルギーになりやすいのでしょうか。
谷口 犬や猫に接している時間が長いと、アレルギーになりにくいように感じられますが、じつは逆なんです。これは花粉症と同じメカニズムなのですが、同じ抗原に何年も触れていると、それまでは何の症状もなかったのに、ある時を境に人体は、抗原を“敵”とみなします。敵を攻撃すると拒絶反応が起こり、眼や皮膚のかゆみ、発疹、咳などの症状が現れるのです。
--花粉症の人が花粉を避けるように、犬や猫アレルギーの人も動物に触れる時間を短くしたらいいのでしょうか。
谷口 花粉症の場合、発症を予防するには、できるだけ花粉に触れないようにするのが一番です。発症してしまった場合も、マスクをしたり、服や髪の毛についた花粉を家に入る前に落としたりして症状を和らげます。犬や猫アレルギーの場合も、動物に触れる時間を可能な限り短くすることが望ましいでしょう。
幼少期から犬や猫に触れていると、アレルギーを発症しにくい?
--幼い頃から動物に触れていると、アレルギーのリスクが低下するという論文があるのですか。