谷口 「早い段階でペットに触れていれば動物アレルギーのリスクが低下する」という論文が、医学誌『PLOS ONE』2018年12月19日号に掲載されたのです。早い段階で、というのは“幼少期”ということです。
これは、スウェーデンで行われた研究で、7~8歳の小児1,029例、8~9歳の小児249例を対象にした研究です。生後1年以内の乳児期の時に、室内で犬や猫を飼っている家庭で過ごすと、喘息や鼻炎、湿疹などのアレルギー症状を発症しにくいという結果が出たそうです。その傾向は、ペットの数が多いほど顕著になることも分かりました。ペットがいない家の子供は、49%がアレルギーを発症したのですが、5匹以上ペットを飼っている家の子供は、誰もアレルギーを発症しなかったのです。
ペットを飼う前に、アトピー性皮膚炎などをきちんと治しておく
--幼少期に動物と触れ合って育つと、なぜアレルギーを発症しにくいのでしょうか。
谷口 理由は、まだ解明されていません。
食物アレルギーの場合、以前は、アレルギー反応を起こす食品をできるだけ摂取しないほうがいいと言われていたのですが、近年、積極的に摂取したほうがいいと考えられています。ただし、単にアレルギーを発症する食べ物を食べればいいというのではなく、乳幼児に、「アトピー性皮膚炎などの湿疹をきちんと治してから」、アレルギーの原因になる食べ物を食べることが重要です。
--犬や猫のアレルギーも、食物アレルギーと同じメカニズムかもしれませんね。
谷口 乳児期にアレルギー性の湿疹や呼吸器疾患などが疑われる場合は、その治療や予防をきちんと行ってから、動物を飼うべきでしょう。