幻の「なっぱ電車」復活へ?神戸市営地下鉄と八百屋女子の壮大過ぎる計画

広畑 千春 広畑 千春
地下鉄に野菜のコンテナを運び込む竹下さんら=神戸市営地下鉄西神中央駅
地下鉄に野菜のコンテナを運び込む竹下さんら=神戸市営地下鉄西神中央駅

 当日、竹下さんはその日の午前中に駅から約2キロにある畑で収穫したダイコンなどをコンテナ8個に積み込み、台車に載せて車内へ。縦横奥行きの3辺の合計が2.5メートル以内、重さ30キロ以内という「手荷物」ギリギリの大きさだ。不思議そうな乗客の視線を浴びながら、約30分。兵庫県庁など公的機関が集まる「県庁前駅」に到着し、構内に仮設売り場を作ると、主婦や公務員らが次々と買い求めた。

 葉や土付き、いびつな形の野菜もかえって「新鮮そう」と好評で、協力した農家の山崎高志さん(38)は「最寄り駅までなら運ぶ時間も手間もかからない。地元の産地のアピールにもなる」と歓迎する。

「なっぱ地下鉄」実現は

 ただ、現在は人の輸送が主目的のためイベント限りの運用とか。それでも「なっぱ地下鉄」実現の可能性は「ないわけではありません」と同市交通局営業推進課。「今年2月に導入した新型車両6000系には全車両に車いすやベビーカー利用客を想定したフリースペースがあり、全編成が新型に置き換わる5~6年後には時間を区切って荷物を運ぶことは可能です」とのこと。遠くない未来、電車で野菜を運ぶのがまた、当たり前の風景になる日が来るのかもしれない。

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