子どもに潜む恐ろしい「口腔崩壊」の実情

ドクター備忘録

中塚 美智子 中塚 美智子
子どもの口腔崩壊は深刻化しつつあります(C)tatsushi-Fotolia
子どもの口腔崩壊は深刻化しつつあります(C)tatsushi-Fotolia

 「口腔(こうくう)崩壊」という言葉をご存知ですか?何とも恐ろしい響きです。これはまだ明確に定義されていませんが、10本以上の虫歯がある、治療していない歯が何本もある、これらが原因で食べ物がうまくかめない状態をいいます。昨年東京歯科保険医協会が小中学校を対象に行った調査では、アンケートに回答した小学校の約4割、中学校の約3割に口腔崩壊と考えられる子どもがいたと答えています。

 原因として子ども自身に問題がある場合もありますが、保護者が忙しくて歯科医院に連れて行く時間が取れない、治療費の負担が難しい、乳歯はいずれ生え変わるからと考えて治療させようとしないなど、家庭全体に何らかの問題がある場合が少なくないようです。

 受診させるために仕事を休まなければならなかったり、保護者自身に子どもの歯や口のことまで構っている余裕がなかったりすると、子どものために何とかしたいと思っていても家庭だけでは解決が困難な状況がありそうです。この話を耳にする度に本当に心が痛みます。

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