レトロモダンな“大阪のシンボル” 開館100年を迎えた大阪市中央公会堂の魅力

桑田 萌 桑田 萌
開館100周年を迎えた大阪市中央公会堂
開館100周年を迎えた大阪市中央公会堂

 大戦を挟み一時存続の危機にさらされたものの、現在まで市民にとって欠かせない場として存在してきた。著名なオペラ団体による上演や、ヘレン・ケラーやガガーリンの講演会などの大規模イベントを多く開催。また普段は一般の人々が貸館として利用できるため、オープンな雰囲気が魅力のひとつとなってきた。

 「この公会堂で行われるイベントは非常に幅広いです。このようにレトロで独特の雰囲気に反して、いかなる催しでも対応できる。この公会堂は懐が深いんです」(同氏)

 平成初期には大規模な再生工事が行われ、2002年に国の重要文化財に指定された。

 「建物は多くの方に使用されることで生きていきますが、そのぶん傷むスピードも速いですよね。しかし、岩本の『市民や未来のために』という想いが受け継がれ、今も変わらず使用されていることに、やはり意味があるのだと思います」(同氏)

 今年11月、開館100年を祝したイベントを開催。普段は出入りできない館内が特別公開されたため、多くの訪問客で賑わった。集会室は大・中・小とあり、各部屋で様々な催しが開かれた。中央公会堂にちなんだ各種講演会・演劇、館内ガイド、ウィーン管弦楽団の団員による室内楽演奏、大阪芸術大学による特別展示やコンサートなど、芸術的なプログラムが目白押し。大阪市中央公会堂を「体験」するのにとっておきの3日間であった。

 100年を迎えた今、新たな時代を目の前にしている。施設が存在する中之島エリアは、近年街全体が整備され、大阪の中でも重要な観光スポットだ。同エリアにある大阪府立中之島図書館とも連携を進め、地区全体の活性化に重要な役割を果たし、今後ますますの発展が期待される。

 「この100年間多くの方に支えていただき、ここまで来ました。そんな皆様と一緒に100歳を祝いたいと思い、今回のイベントとなりました。これを機に、新たな100年間を市民の皆様とともに、さらに歩んでいきたいですね」(同氏)

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