日本人の死因の第1位は悪性腫瘍だが、第2位は心筋梗塞。実は心筋梗塞には予兆ともいえる「放散痛」という症状が起こることがあるのだが、それを見過ごして突然死してしまうこともあるという。脳卒中・循環器病が専門で、神経救急にも詳しい大槻俊輔医師に話を聞いた。
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-心筋梗塞は、どんな時に起こるのでしょうか。
「心臓病による発作は、トイレに行った時や仕事をしている時など、何かきっかけになる行動を起こした時に起こることが多い。必ずしも、いつも突然発症して死亡するとは限らず『放散痛』という症状が加わることもよくあります」
-しかし、心筋梗塞というと、急に強烈な胸の痛みを感じるのではないでしょうか。
「チクッとか、刺すような鋭い痛みではなく、胸のちょうど真ん中あたりになんとも言いようのない不快な感じがする、あるいは、胸のあたりをぎゅーっと締め付けられるような感じがすると訴える方が多い。冷や汗が出て気が遠くなるなどの症状を伴うこともあります」