なぜ大晦日に「年越しそば」と「除夜の鐘」 その由来とは?

なぜ大晦日に「年越しそば」を食べるのか?(C)BRAD-Fotolia
なぜ大晦日に「年越しそば」を食べるのか?(C)BRAD-Fotolia

 地方によっては、年越しそばの薬味に、きざみねぎを添えるところもある。これは、ネギの語源が「ねぐ」からきていて「祈る」という意味があるから。ネギを添えることで“長寿や金運を祈願する”ということだ。

 東京で「そば」と言えば「深大寺そば」。江戸時代、小作人がそばを作り、米の代わりにそば粉を寺に納め、寺では、そばを打って来客をもてなしたのが始まりとされている。深大寺周辺は、元祖「嶋田家」を始めとして「八起」「矢田部茶屋」「鈴や」などがずらり。今でも「大晦日は、年越しそばを食べて深大寺に新年のお参りする人で毎年大変な賑わいをみせています」(そば処のおかみさん)とか。

 ではなぜ除夜の鐘は108回なのか?これは中国の宋の時代から始まったもの。一説では、人間が過去、未来に渡って持つ「百八つ」の煩悩を打ち破って、罪業(ざいごう)の消滅を祈るためとも言われている。

 12月31日は、旧年と新年の境目であり、その夜は別名「大晦(つごもり)」「除夜」「年越し」などと呼ばれてきた。新年の年神様が来るのを寝ないで待つ日でもある。かつては、日没を一日の境としていたので、大晦日が暮れるとともに、新年となった。この夜、神社では、境内でかがり火を焚き、夜を徹して神主が、罪や穢れを清める大祓(おおはらい)を行い、寺院では、午前零時を前にして、除夜の鐘が突かれる。前述のように、年をまたいで108回鳴らすのが日本の伝統だ。

 時代の移り変わりとともに日本人のライフスタイルも大きく変化してきた。現代では年越しも人によってさまざまだが、たまには“典型的な過ごし方”もいかがだろうか?

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