溶連菌の軽視は禁物!もう一つの顔に“人食いバクテリア”も 薬は必ず飲み切ること

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 年末ギリギリまで診察にあたる医師も多いです
 年末ギリギリまで診察にあたる医師も多いです

 寒い季節になり、風邪の患者さんが外来にも増えてきました。最近は、私のいる伊丹市でも、インフルエンザが流行し始めてきました。ともに注意しないといけないのが、溶連菌です。

 溶連菌、正式名称はA群β溶血性連鎖球菌といいます。診断は、簡単できます。迅速診断キットを用いて、咽頭部のぬぐい液を採取すれば、10分以内に診断がつきます。インフルエンザの検査のように、鼻から管を挿入される苦しい検査ではありませんので、ご安心ください。診断がつけば、10日間の抗生剤を飲み切ることが肝要です。

 子供さんだけが罹患(りかん)することが多いと思われていますが、大人もこの病気にかかることがあります。多くの場合、感染後、2日から5日を経て発症します。一般的にみられるのが、急性扁とう炎の症状ですが、その他に頸部、腋窩部、鼠径部の紅斑様発疹から始まり、全身の皮膚が発赤する猩紅熱という幼児、学童の病気や、顔面の皮膚に感染して真っ赤になる丹毒という病気も比較的有名です。

 早期に診断をして、抗生剤を投与すれば治癒はほぼ確実ですが、症状が消失したらからといって内服を途中でやめてしまうと、保菌者になったり、再燃することがあります。また、怖いのは続発症である急性糸球体腎炎やリウマチ熱です。糸球体腎炎は、感染後1~3週間で発症し、尿量の減少、血尿、たんぱく尿、高血圧、浮腫などの症状を認めます。

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