リウマチ熱は、感染後2週間から4週間で発症し、発熱、関節痛、心炎、舞踏病、輪状紅斑などの症状を呈します。罹患後、数十年で心臓の弁の異常を来すことがあります。心臓の弁は、心臓から全身に血液を送り出す時に、血液が逆流しないようにする働きがあります。その弁が硬くなり、本来とは逆の方向に血液が流れたり、流出路の狭小化により流れにくくなります。最近は、抗生剤の的確な使用から、上記の心臓の弁疾患の原因として、リウマチ熱は減少しているようです。
溶連菌のもう一つの顔としては“人食いバクテリア”が有名です。細菌が急激に全身にまわり、筋肉や脂肪などを腐らせてしまうために、その異名がついています。人食いバクテリアの正体は我々が日常でよく遭遇する溶連菌が正体だったのです。
そう考えると、抗生剤を正確に飲もうと思いますよね。溶連菌といって軽く考えると、怖い合併症があることをご理解いただき、抗生剤の内服はきちんと飲み切るようにお願いしたいです。