出血も痛みもない「非観血型」の血糖測定器は糖尿病患者の“福音”に

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 データをチェックする医師
 データをチェックする医師

 我々の周りには、高血糖となる様々な食べ物、飲み物があふれています。ペットボトルの飲料水、スポーツドリンクなどは思っているよりもたくさんの糖質が入っており、要注意です。食事制限はできていても、熱中症対策のために毎日スポーツドリンクを2本飲んでいた患者さんに糖尿病の増悪を認めたり、果物の過剰摂取で発症してしまった患者さんも実際にいました。

 ご飯などの炭水化物の過剰摂取も要注意ですね。食事前に野菜を最初に摂取すると血糖の急上昇が抑えられるので、糖尿病の患者さんには推奨されています。食事の内容や摂取スピードなどによっても血糖上昇の具合は異なります。「非観血型」の測定器は、血糖の変動をリアルタイムに観察できて、食事制限を無意識に実行できるので、今後は糖尿病治療の一端を担うのではないかと期待しています。

 飽食の時代です。今後も多くの糖尿病の患者さんが現れるのは必至ですが、こういった科学の発達が私たちの健康を支えてくれているのだと、これを書きながら、改めて先端医療を担っている人たちに感謝しました。実は私の父も糖尿病を患っています。生活習慣の乱れは、糖尿病の発症につながります。「注意をしなければ…」と再度、自分に言い聞かせながら、ウィスキーのグラスをテーブルに置きました。

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