糖尿病や脳卒中のリスクを高める「メタボリックシンドローム」 その目安と解消法とは 医師に聞く

ドクター備忘録

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 現代社会において、耳にする機会が増えたメタボリックシンドローム。症状や定義、またその影響について、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。

――どういう症状をメタボリックシンドロームと呼ぶのでしょうか?

単的に答えると、内臓脂肪が過剰に蓄積された状態、つまり“お腹が大きい人”のことを指します。内臓脂肪が溜まると糖尿病になりやすく、さらに血圧も上がりやすくなってしまいます。つまり、メタボリックシンドロームとは血管の病気を引き起こす悪い因子が揃ってしまう手前の状態を指すんです。

――目安となるウエストのサイズなどはあるのでしょうか?

男性は85cm、女性は90cm以上が目安とされており、ウエストサイズが基準値を超え、なおかつ血圧・血糖・脂質のいずれか2つ以上の危険因子が揃った時にメタボリックシンドロームと呼ばれます。

――メタボリックシンドロームになることで、どういった影響が考えられるのでしょうか?

メタボリックシンドロームになっているということは、高血圧・糖尿病・高脂血症といった血管の病気になる危険因子が揃ってしまっている状況を指します。そのため、いわゆる2型糖尿病になるリスクはメタボでない方と比べて高くなります。また、これらの危険因子が重なることにより、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まると考えられています。

――解消するためには、何から始めればいいのでしょうか?

食べすぎに気をつけながら、食べた分は運動して消費するという、食事と運動をバランスよくとることが大切です。メタボリックシンドロームは血圧やウエストサイズといった測定値によって診断されるものなので、常に気をつけながら日々を過ごすことが大切です。食事は量を減らすのではなく、バランスを重視してください。例えば、タンパク質をしっかりと摂取し、筋肉量を増やすことは運動の効率を上げることに繫るんです。また、飲酒の際にも適度な量を意識してほしいですね。

◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、脳神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科

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