出血を伴わない、医学用語で言う「非観血型」の血糖測定器の使用が、9月1日から条件を満たせば可能となりました。非常に画期的なことなんです。
今までの血糖測定は、指先を針で刺し血液をにじみ出して血糖測定をしていました。非観血型の機械は優れもので、チップの入った機械を上腕に貼り付け、適宜、血漿(けっしょう)内の血糖を測定する。チップの入った機械には針が付いていて、貼り付ける際に身体内に挿入されても痛みは感じない。お風呂にも入れるし、運動制限もないんです。
そのチップに、モニターの機械をかざすと現在の血糖値がすぐに確認できます。チップ内は8時間の血糖のデータを記憶できて、仕事中であれば、モニターの機械をチップにかざさなくても、後から変動を確認することも可能なんです。さらに、血糖の変動が随時確認することが可能となりますので、多くの糖尿病の患者さんに“福音”がもたらされるであろうと思っています。
以前にも説明しましたが、糖尿病は大きく分けると1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は、体内で糖を利用するために必要なインスリンが生成される膵臓(すいぞう)のβ細胞が、なんらかの原因で破壊される怖い病気で、小児から思春期に発症することが多いんです。ただ、日本での割合は5%以下という珍しいタイプです。
残りの95%が2型糖尿病で、過食、運動不足、ストレス、加齢などの環境因子が原因で発症します。特に暴飲、暴食は原因になり、遺伝的要因も強いために、血縁関係に糖尿病の人がいれば要注意です。また、日本人は欧米人と比べると血糖を下げるホルモンであるインスリン分泌能が低いため、糖尿病になりやすいとされています。