解熱剤の安易な乱用は危ない…インフルエンザなどの重症化招くことも

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 職場でマスクをしている人は多いです。重くなる前に診察を受けましょう
 職場でマスクをしている人は多いです。重くなる前に診察を受けましょう

 そういえば、伊丹の地で開業して10年8カ月になりますが、私は一度も風邪や病気で休んだことはありません。「●●は風邪をひかない!」と言われている通りかもな?と自嘲していましたが、考えてみると医師という仕事が大きく係わっているのかもしれません。

 まず、医学の知識が他の職業の人たちよりは豊富にありますので、少し体調に不具合があると、知人に診察してもらい投薬治療をうけます。これが最も大きなポイントかもしれません。あとは、車で通勤しているために細菌、ウィルスに暴露しにくい。院内ではマスクを可及的に着用していますが、患者さんからのウィルス、細菌の暴露はかなりのものになると思います。そういった少量の暴露が身体の中で、細菌やウィルスに体する抗体を作ってくれているのかもしれませんね。

 最近は風邪をひいた際、薬局で市販薬を飲み続けて重症化して来院される人をよく診察します。その患者さんの免疫能力が高ければ、それだけで治癒することも多いのですが、そうではない高齢者、乳幼児の患者さんは、くれぐれも気をつけて頂きたいものです。

 まだまだ、インフルエンザは流行しています。市販薬を飲み続けて来院され、発熱などの症状はないけれども、身体が異常にしんどい、ひどい頭痛がするなどのインフルエンザの症状を伴って来院される患者さんは多いんです。その際に「熱がないのにインフルの検査をしないといけないの?」と怪訝(けげん)な顔をする患者さんもおられますが、理由を説明して検査をすると、インフルエンザ陽性の結果が出るケースは少なくない。市販薬であれば、問題が大きくなる可能性はまだ低いのですが、医療機関でもらった強い解熱鎮痛薬を自己判断で飲んだために、感染症が重症化してからようやく病院に来られる患者さんが結構おられるんです。

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