確定申告まもなくスタート!今年こそ節税…まずは「医療費控除」からチャレンジ

川上 隆宏 川上 隆宏
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■どちらを選択するか、申告前には試算を

 医療費控除の特例というかたちでスタートしたこの制度、特定の種類の薬代のみで計算する難しさもあり、実はあまり普及しているとはいえません。OTC医薬品の購入金額は医療費控除の対象でもあるため、間口が広い医療費控除でまとめたほうが下限の金額をクリアしやすいこともあります。

 なお、セルフメディケーション税制と医療費控除は併用ができず、どちらを適用するか選択する必要があります。そのため、医療費を10万円以上支払い、かつOTC医薬品の購入額が1万2000円を超えた場合は、どちらが有利になるか計算する必要があります。

■医療費控除をきっかけに、追加納付をすることも

 なお、医療費控除を受けるために確定申告をするのであれば、ほかのお金の動きもあわせて申告する必要が出てきます。

 たとえば、20万円以下の給与所得・退職所得以外の所得は、確定申告の手続きが免除されていますが、医療費控除で確定申告をするのであれば、20万円以下の所得も申告しなければなりません。そのため、医療費控除よりもほかの所得を申告したことによる影響のほうが大きくなり、追加納付をするケースもありますので注意が必要です。

 ふるさと納税をしている方で、確定申告しなくてもすむように「ワンストップ特例制度」を活用していた場合でも、医療費控除を受けるために確定申告をすると、特例制度が使えなくなります。確定申告の中で寄付金控除をあらためて申告する必要が出てきますので、気をつけましょう。(税理士・佐田哲司)

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 2019年の確定申告は2月18日から3月15日までです。ただし、会社員などで天引きされて納めすぎた税金を戻してもらうように手続きする「還付申告」なら、確定申告の期限後でも行うことができます。たとえば、医療費控除のみ申告する場合、申告年の翌年から5年間申告することが可能です。

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