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約1000万円のフォルクスワーゲン ID. Buzzに試乗したら…想像以上だった!! 世界的も稀なミニバンのBEVの実力は

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

ID. Buzzのボディサイズと取り回し

カタログスペックとして、全幅1985mm、最小回転半径6.3mという数値を見ると、取り回しに不安を感じる人も多いだろう。実際、狭い道でのすれ違いには気を遣う場面が想定される。

しかし、実際に運転してみると印象は大きく異なる。着座位置の高さにより視界が広く、左右の見切りも良好なため、想像していたほど扱いにくさは感じない。タイトな道でも、過度なストレスなく走行できる。

とはいえ、全幅1985mmというサイズ自体は変わらないため、狭路では慎重な操作が求められる点は留意したい。

後輪駆動がもたらすID. Buzzの走行性能

ID.バズには、91kWhという大容量のリチウムイオンバッテリーが搭載されている。航続距離(WLTCモード)は554kmで、実用面でも十分な性能を持つ。実走行で400km前後と想定しても、日常からロングドライブまで幅広く対応可能だ。

急速充電にも対応しており、受電性能は140~150kWと高出力である。適切に充電を行えば、長距離移動にも柔軟に対応できる。

駆動方式は後輪駆動(RR)を採用する。フォルクスワーゲンといえば前輪駆動のイメージが強いが、ID.シリーズではMEBプラットフォームにより後輪駆動が主流となっている。この点は、日本メーカーの多くが前輪駆動ベースであることと対照的だ。

後輪側に搭載されるモーターは、最高出力286ps、最大トルク560N・mを発生する。ただし、車両重量は約2720kgと非常に重く、高速域での加速は穏やかな特性だ。一方で、モーター特有の瞬時に立ち上がるトルクにより、市街地では非常に力強く、軽快な加速を実現する。数値から受ける印象に反して、重さを感じさせない走りが特徴だ。

さらに特筆すべきは、ミニバンとしては珍しくワインディング走行が楽しい点である。BEVは床下にバッテリーを搭載することで重心が低くなり、運動性能が大きく向上する。ID.バズもその恩恵を強く受けており、大柄なボディでありながら、安定した姿勢で軽快にコーナーを抜けていく。

とくに中高速域のコーナリングでは、フラットな姿勢を維持しながら路面に吸い付くような走りを見せる。さらに後輪駆動の特性も相まって、アクセル操作に応じて自然に曲がっていく感覚が得られる。この走行フィールは、前輪駆動ベースの国産ラグジュアリーミニバンとは異なる魅力といえる。

ID. Buzzのリセールバリューを予想

・バズ プロ・ロングホイールベース中古車相場(2025年式):約890~990万円
・当時の新車価格に対する中古車相場比:約89~99%

一般的にBEVは多額の補助金が交付される。そのため、補助金を差し引いた金額が実質的な車両価値と見なされる傾向があり、リセールバリューは低めになるケースが多い。

しかし、ID.バズの補助金は28.8万円程度と比較的少ないこともあり、リセールバリューの下落は限定的にとどまっている。さらに、補助金の影響だけでなく、人気モデルで納期が長期化している点も、高値を維持している要因と考えられる。

こうした長納期の状態が続く限り、リセールバリューが大きく下がる可能性は低いと予想される。一方で、長納期でありながら中古車価格が新車価格を上回る状況には至っていない。

そのため、今後どのタイミングでリセールバリューが下落に転じるかは見通しにくい。高いリセールバリューを前提に購入する場合は、一定のリスクがある点にも留意が必要だ。

※中古車相場は、2026年7月調べ

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