プロ野球・阪神タイガースなどで投手として活躍した下柳剛さんと巡る、姫路の酒蔵探訪。今回訪れたのは、姫路市内で最大手の酒造グループであり、1666年(寛文6年)創業という超老舗「ヤヱガキ酒造」です。清酒だけでなく天然色素の開発や食品機械の製造販売など多角化を進めてきた一大企業でありながら、その現場へ一歩足を踏み入れると、最新技術を導入しつつも、人の手による昔ながらの工程がしっかりと息づいていました。
■ 「ここまでの規模で人力!?」巨大な設備と手作業が生み出す蔵人の技
本社に到着すると、まずは立ち並ぶ建物のスケールに思わず圧倒されます。かつて新日本製鐵の野球部で汗を流した下柳さんも、「なんだか新日鉄の工場を思い出して懐かしいわぁ」と思わず目を細めるほど。 案内役を務めてくれたのは、この道10年の杜氏・佐藤直樹さん。まずは「麹室」から見学スタートです。
窓ガラス越しですが、想像以上の奥行きに「広いなぁ~」と目を丸くする下柳さん。その後は蒸し機を見学します。巨大な窯でお米が蒸し上がると、回転ハンドルを手で回して傾けます。多い時で1回800キロのお米を蒸すというから驚きです。
さらに、それを冷却器へ移す作業は人がスコップを使って行うのだそう!これには下柳さんも「これだけの巨大な規模なのに、人力なんだ!」と感嘆の声を漏らしていました。
■ センサー管理と人の手が織りなす極上のもろみ!「米を溶かす」職人のこだわり
続いて仕込み蔵では、高さ3メートルの大きなタンクを見せてもらいました。タンク内のもろみはセンサーで緻密に温度管理されていますが、撹拌する作業は長い櫂棒を使った手作業にこだわります。
「機械を入れるとお米の粒が潰れてしまう。丁寧にお米を溶かさないといい味になりませんから」と語る佐藤さん。下柳さんも「人の手間こそが美味しいお酒を造るんだね。まさに佐藤さんの腕の見せ所だ!」とにっこり。
■ 室温11度の別世界!真夏の仕込み蔵で触れた“発酵の鼓動”
ヤヱガキ酒造は冬場に造る「寒造り」が基本ですが、最後に、夏場に少量仕込んでいる「東蔵」を特別に見せていただきました。蔵の中の温度はなんと11度!Tシャツ姿の下柳さんも思わず「寒いっ!」と肩をすくめます。ですがタンクの蓋を開けると、お米の甘い匂いがふわり。仕込んで6日目のタンクは大きな泡がブクブクと音を立てており、「あ! 発酵してる!」と大興奮の下柳さん。
一方、20日目のタンクは泡が落ち着いており、「おお、こっちは落ち着いてるわ!」と、生き物のように変化するお酒の息吹を目の当たりにしていました。
■ 一杯で心をリセット。極上の大吟醸「黒乃無」が誘う至福のひととき
最後は、待ちに待った試飲タイム! いただくのは、兵庫県産の山田錦と清らかな伏流水で醸された純米大吟醸「黒乃無」です。重厚な黒いボトルからおちょこに注ぐ瞬間、とろりと丸みのある質感が伝わってきます。芳醇な香りを楽しんだ後、ゆっくりと口に運ぶ下柳さん。
「これは、お供を選ばないね。肉でも魚でも、何の邪魔もしない。まさに『無』という名にふさわしい味わいだ」と大絶賛!佐藤さんによると、このお酒は今から40年前、創業320年の記念酒として「無に戻ろう、初心に帰ろう」という熱い思いを込めて造られたのだそう。「すべてを無にしてくれるなぁ……」と、極上の一杯にすっかり顔をほころばせる下柳さん。歴史ある伝統の技と最先端の技術、そして酒造りへの誇りが詰まったヤヱガキ酒造の真髄を全身で味わい尽くし、最高の締めくくりとなりました。
ヤヱガキ酒造の日本酒は姫路市のふるさと納税でも入手できます。純米大吟醸 黒乃無(くろのむ)。詳しくは楽天ふるさと納税・姫路市商品ページをご参照ください。
https://www.rakuten.co.jp/f282014-himeji/contents/himeji_sake/
◎紹介した酒蔵
社名:ヤヱガキ酒造株式会社
創業:1666年(寛文6年)
住所:〒679-4298 兵庫県姫路市林田町六九谷681
営業時間:8:30~17:15
定休日:土曜日・日曜日・祝日
電話:079-268-8080
主要銘柄:八重墻(やえがき)
HP:https://www.yaegaki.co.jp/