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時が止まったような木造蔵で出合う、“酵母の声”に寄り添う酒造り 姫路・夢前町「壺坂酒造」

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 プロ野球・阪神タイガースなどで投手として活躍した下柳剛さんと巡る、姫路の酒蔵探訪。今回訪れたのは、姫路市北部の豊かな自然に抱かれた山間の街・夢前町にある「壺坂酒造」です。従業員わずか8人、酒造りはなんとたった2人で行っているという小さな地酒蔵。1805年(文化2年)創業の歴史を感じる木造蔵には、自然の力に寄り添う温かな酒造りのストーリーが詰まっていました!

■フランスを魅了した1本!「雪彦山」の濃密な味わいに思わず…

 到着して早々、案内役の壺坂良昭社長が「まずはうちのイチオシをどうぞ!」と出してくれたのは、地元の霊峰から名を取った主要銘柄「雪彦山」純米吟醸無濾過原酒。兵庫県産の山田錦を100%使用したこのお酒、なんとフランスのトップソムリエらが審査する日本酒コンクール「Kura Master」で今年、見事、審査員賞を受賞した逸品なんです!

 グラスに注がれたお酒は、無濾過ならではの美しい黄色みがかった色合い。早速一口いただいた下柳さんは、「とろみがあって、舌にまとわりつくような濃厚な味わい。五臓六腑にしみるとは、まさにこのこと!」と大絶賛。あまりの美味しさに、思わず「おかわり!」とグラスを差し出す場面も。
 このしっかりとした甘みとコクについて、「このあたりでは、昔からイノシシなどの獣肉を食べる文化があるんです。だから、脂っぽい食事にも負けない甘い味わいが好まれます」と壺坂社長が教えてくれました。

■土壁と柱が語る歴史。「僕たちは動物園の飼育員なんです」

 心地よいほろ酔い気分のまま、蔵の見学へ。 漆喰をあえて塗っていないむき出しの土壁、黒光りする太い柱や梁……180年以上前の面影をそのまま残す独特の空間は、近年では欧米をはじめとする海外からのツアー客にも大人気なのだそう。
 酒造りは10月半ばから5月ごろまで。取材時はオフシーズンでしたが、シーズン中は1つのタンクで3回も仕込みを行う多忙を極める現場です。
 「僕たちの仕事は、『動物園の飼育員』のような感じなんですよ。酵母が気持ちよく発酵できるように環境を整えてお手伝いするだけ」。下柳さんも、「なるほどなぁ。酒は生き物。彼らのペースに任せるんですね」と深く感心した様子でした。

■もみ殻の香ばしい匂いと、半年間の「納豆断ち」!?

 続いて、普段はなかなか見ることができない酒造りの心臓部「麹室」へ特別に案内していただきました。保温性を高めるために小さく作られた出入口を、大きな体を小さくかがめてくぐる下柳さん。これまた保温のために、壁、床、天井の板の裏には「もみ殻」が敷き詰めてあるそうで、香ばしく温かい匂いに包まれます。「はぁ〜、すごく落ち着く匂いがするね。ここで昼寝したい」と思わずほっこりする下柳さん。
 ですが、麹造りは酒の出来を左右する極めて繊細な作業。そのため、シーズン中には従業員全員に課される「厳しいルール」があるのだとか。
 「繁殖力の強い『納豆菌』を蔵に持ち込まないよう、シーズン中は従業員全員が納豆を食べられないんです。山形出身の僕の母なんて、半年以上も大好きな納豆を我慢してますね」という壺坂社長のエピソードに、現場は温かい笑いに包まれました。

■この土地でしか造れない、本物の「地酒」

 「地元の人間が、地元の素材、地元の気候で造るからこそ『地酒』なんです」と言い切る壺坂社長の言葉に、下柳さんも「他には絶対に真似できない強みってことだよね。ここでしか味わえない理由がよく分かりました!」と力強く頷いていました。姫路・夢前町の風土をそのまま詰め込んだような至極の一杯を堪能した、心温まる酒蔵巡りとなりました。

 壺坂酒造の日本酒は姫路市のふるさと納税でも入手できます。純米吟醸原酒雪彦山 GIはりま。詳しくは楽天ふるさと納税・姫路市商品ページをご参照ください。
https://www.rakuten.co.jp/f282014-himeji/contents/himeji_sake/

◎紹介した酒蔵
社名:壺坂酒造株式会社
創業:1805年(文化2年)
住所:〒671-2103 兵庫県姫路市夢前町前之庄1418-1
営業時間:8:00~18:00
定休日:原則なし
電話:079-336-0010
主要銘柄:雪彦山 無濾過原酒(生)
HP:  http://www.seppiko.jp/

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