プロ野球・阪神タイガースなどで投手として活躍した下柳剛さんと巡る、姫路の酒蔵探訪。今回訪れたのは、姫路市手柄に佇む明治43年(1910年)創業の「姫路灘菊酒造」です。社名に「姫路」を戴くほど深い地元愛を誇り、かつての大規模醸造から、あえて手間暇のかかる「手造りの小仕込み」へと舵を切った老舗。さらに、格闘技好きの下柳さんが「うそやろ!?」とのけぞった、世界的な偉人との驚くべき歴史的ルーツにも迫りました!
■格闘技ファン・下柳が大興奮!「フランス柔道の父」が生まれた創業家のロマン
蔵の敷地に入り、黒塗りの古い木造蔵が立ち並ぶ美しい景観に「うわ〜、ここはタイムスリップしたみたいやね!めちゃくちゃええ雰囲気や!」と声を弾ませる下柳さん。
そこで、案内役の四代目社長であり女性杜氏の川石光佐さんから、ある驚きの事実が明かされます。なんと、姫路灘菊酒造創業者の実弟である川石酒造之助(みきのすけ)氏は、昭和初期に単身フランスへ渡り、現地で柔道をゼロから普及させて「フランス柔道の父」と称えられた伝説の柔道家なのだそう。現在、世界でも有数の柔道強国となったフランスの礎を築いたのは、まさにこの酒蔵の血筋だったのです。
柔道関連の展示物もたくさんあり、大の格闘技好きとして知られる下柳さんは、「ええっ!?あの『フランス柔道の父』の生まれ故郷がここなんか!オリンピックでフランス柔道が強いのも、元を正せばこの蔵から始まったようなもんやんか!鳥肌立ったわ!」と大興奮。この偉大な先人の名を冠し、世界に向けて発信される大吟醸「酒造之助(みきのすけ)」のボトルを手に、「これは男のロマンが詰まったお酒やね」と熱っぽく見入っていました。
■あえて大量生産を捨てた!女性杜氏が率いる「500kg小仕込み」と職人の意地
昭和30年代には大量生産を行う大工場として栄えた姫路灘菊酒造ですが、平成6年に大きな転換期を迎えました。「量ではなく、ここでしか造れない本当に旨い酒を」と、あえて生産規模を縮小し、蔵人の手作業による「500kg単位の極小仕込み・小ロット」の体制へ移行したのです。
川石社長は、女性では全国3人目の南部杜氏として、また兵庫県内初めての女性杜氏として、蔵の先頭に立っています。仕込みに使われるのは、契約農家が我が子のように育てる地元・兵庫県産の厳選された酒米で、「近年の夏の酷暑で、お米が硬くなって溶けにくく、お酒になりにくいという難しさがある。マニュアル、データだけはなく、最終的には蔵人の『勘所』が大事。同じ酒はできないというところが、蔵人の腕の見せ所」と力強く話します。
■飲むだけやない、五感で学び尽くす!木造蔵を活かした「酒蔵ツーリズム」
姫路灘菊酒造のもう一つの顔が、日本酒を文化として発信する「体験型観光」への思い。
蔵では、単にお酒の試飲販売を行うだけでなく、播磨の豊かな地形、水や米の特徴を蔵のスタッフがわかりやすく講義する「日本酒体験セミナー」を開催しています。
「コロナ禍以降、観光に求められるものが変わったと感じる。もし、お酒が飲めなくても、酒造りを文化として体験してもらえれば」と川石社長。お酒を飲めない子供や観光客でも、お酒に込められた思いや土地の歴史や背景を学べる内容になっています。
創業当時の古い釜場や道具がそのまま保存されたミュージアムを見学した下柳さんは「ただ飲むだけやなくて、こうして『なぜ旨いのか』の理由を歴史と一緒に勉強してから飲むお酒は、格別に面白くて味わい深いはずや」と、蔵を挙げて「体験」を提供する姿勢に感心した様子。敷地内には、当時の木造酒蔵をそのまま活用した直営レストランもあり、酒造りの空間に包まれながら贅沢な食事も楽しめます。下柳さんも「この雰囲気で食事とお酒を楽しめたら、格別でしょうね」とにっこり。川石社長は「ここ姫路でしか味わえない特別な日本酒でありたい。姫路に対する愛はめちゃくちゃ強いと思いますよ」と笑顔を見せていました。
■洋梨のようなフルーティな香りとやさしい甘み!「いくらでも飲める」至高の試飲
いよいよ、お待ちかねの試飲タイム!
目の前に並べられたのは、川石社長自らが仕込んだ「大吟醸 酒造之助」。
まずはグラスを傾け、香りを引き寄せた下柳さんは「うわっ、すごいフルーティや!洋梨みたいな甘くて上品な香りが鼻に抜ける!」と声を上げます。
一口含むと、その滑らかな口当たりにさらに驚きが広がります。
「優しい甘みがふわっと広がったと思ったら、最後はすーっと、何の嫌味もなく消えていく。これは重たくなくて、なんぼでも入るわ(笑)。」と、酒好きとしての本領を発揮し、大絶賛。
「お酒と食文化の調和」を何よりも大切にする「ここでしか味わえない日本酒」に、終始ご満悦の様子でした。
■姫路の風土と情熱が醸す「ここでしか味わえない日本酒」
姫路の豊かな風土に感謝し、「手仕事の小仕込み」に誇りを持つ川石社長と蔵人たち。
「フランス柔道の父」から受け継ぐ、現状に妥協せず挑戦し続けるパイオニア精神。そして、古い木造蔵の中で「お酒と食のハーモニー」を五感で伝える体験型酒蔵。下柳さんにとっても、姫路の歴史の深さと、そこに注がれる造り手たちの熱い情熱を全身で感じる体験取材でした。
姫路灘菊酒造の日本酒は姫路市のふるさと納税でも入手できます。酒造之助(みきのすけ)。詳しくは楽天ふるさと納税・姫路市商品ページをご参照ください。
https://www.rakuten.co.jp/f282014-himeji/contents/himeji_sake/
◎紹介した酒蔵
社名:姫路灘菊酒造株式会社
創業:1910年(明治43年)
住所:〒670-0972 兵庫県姫路市手柄1-121
営業時間:10:00~18:00
定休日:無休、12月31日~1月3日は休業
電話:079-285-3111
主要銘柄:姫路灘菊
HP:http://www.nadagiku.co.jp/