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酒造りの「伝統と革新」。「磨き」にこだわり新たな挑戦を次の世代へ繋ぐ「温故創新」の真髄に迫る|田中酒造場

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 プロ野球・阪神タイガースなどで投手として活躍した下柳剛さんと巡る、姫路の酒蔵探訪。今回訪れたのは江戸時代、天保年間創業の「田中酒造場」です。姫路酒造組合の理事長も務める田中康博社長と、杜氏の田中智久専務の親子に案内してもらい、伝統的な酒造りの技法から学ぶ一方で、米の「磨き」や米作りに徹底的にこだわり、常に新たな技術を取り入れ挑戦を続ける「温故創新」の酒蔵の真髄に迫りました!

■手がツルツルに!姫路の地が生んだ驚きの「美肌水」

 「まずはこの水で手を洗ってみてください」。田中社長と智久専務に案内されたのは、酒蔵の命である「仕込み水」。夢前川の伏流水であるこの水に手に浸した下柳さんは、「サラサラしてる!手がツルツルになってる!なんで!?化粧水がいらんくらいだね」と思わず大興奮。蔵の伏流水は不純物がろ過された極めてクリアな水が湧き出ているといい、口に含むと臭みや塩素の匂いが一切ない素直な美味しさです。

■巨大な台ばかりに下柳さんもタジタジ!?徹底したお米へのこだわりと技術

 続いて案内されたのは、蒸し上がった米の重量を正確に測る巨大な台ばかりが置かれた「むろ」と呼ばれる部屋。甘い香りが広がる室内で、「乗ってみて」と社長に促され、実際にはかりに乗ってみる下柳さん。
 「88kgのはずが……増えてるやん!ここ2、3日、飲みすぎ食べすぎたかな!まさか酒蔵に来て体重を測られるとは思わんかったわ」と苦笑いし、現場はドッと笑いに包まれました。このはかりは、蒸し米の水分がどれだけ抜けたかをミリグラム単位で正確に把握するための、酒造りの重要設備。「蒸した米の水分がどれぐらい抜けたら次の工程か正確にすぐにわかる。一見したら昔ながらの設備の中にも、しっかりとした技術があるんやな」と納得の様子の下柳さんでした。

 また、蔵では2000年、「21世紀に伝えるべき伝統技術」として、石と棒を使う江戸時代からの伝統的製法「石掛式天秤(てんびん)搾り」を復活させました。現代ではコンクリートや油圧リフトによる圧搾が主流ですが、巨大な石の重みと「木のしなり」が、非常に絶妙な力加減でお酒を搾り出します。昔ながらの道具を直して使い続ける背景には、単に古き良きものを残すだけでなく、道具の手入れや組み込みの技術を通して「昔の人の正しさ」を次の世代へ教え継ぐという深い意図が込められています。

■伝統から学び、歴史をつくる「温故創新」の酒造り

 伝統を慈しむ一方で、田中酒造場では、米を作る農家、精米機メーカー、そして酒蔵の「三位一体」で、酒米を極限まで「磨く」最先端の酒造りにも挑戦しています。
 酒造りでは玄米からぬかなどを削って残った割合(精米歩合)が小さくなるほど雑味がなくなるといわれています。一方で、多く削るには高い技術が求められ、50%以上を削れば「大吟醸」となるところ、田中酒造場では今年はなんと、玄米の95%以上を削り、精米歩合4.7%の酒を完成させました。摩擦熱でお米が割れてしまうのを防ぐため、人工ダイヤモンドの砥石を使ってじっくりと磨いているといいます。

 また、田中酒造場では、お米に対しても一切妥協しません。冬場に田んぼを80〜90cmも深く掘り起こす「昔ながらの土造り」を農家と協力して実践。深く掘ることで、お米の根が横に広がらず真っ直ぐ下に伸び、夏の猛暑に負けない元気なお米が育つのだそうです。「お米を単に選ぶのではなく、プロとして土造りから関わる。気候変動による米の質の変化も、吸水率のコントロールといった高度な製造技術でカバーして、余計な添加物を使わない自然流の味を守るんです」という田中社長の言葉に、職人魂が光ります。
 農家、精米機メーカーとともに、妥協なき酒造りへの挑戦を続けている田中酒造場。「新しいことに挑戦すれば、後退したり失敗することもある。けれど、その失敗も含めた経験の蓄積こそが『歴史的財産=文化』になるんです」と語る社長のモットーは、まさに「温故創新(新しきを創造して作る)」です。

■華やかな香りと上品な後味!器で変化する至福の味わい

 見学の最後は、待ちに待った試飲タイム!
 まずは、最高級の「純米大吟醸 白鷺の城 縁結」からいただきます。智久専務から注いでもらった下柳さんは、一口飲んだ瞬間、あまりの上品さに息を呑みます。「なんやこのうまさ!フルーティな香りが口の中に広がって、すーっと消えていく。アルコールの嫌なトゲが一切ない!」と大絶賛。この「縁結」は、出雲大社の宮司家との縁から誕生した特別な銘柄なのだそう。次々と口に含み、「米にこだわって磨きにこだわる。そりゃあうまいはずや」と頷きます。その後も「大吟醸 白鷺の城」など次々と試飲します。また、ワイングラスや岡山・備前焼の薄作りの器での試飲も勧められた下柳さんは「器で味が変わる。これまた不思議やな!」と驚いた様子。智久専務は「流行りを追うのではなく、伝統的な製法を守りながら改善を続けていきたい。昔からの取り組みが、次の展開のヒントになる」と、未来を見据えていました。
 お酒は酔うためではなく、料理を引き立て、食事を楽しむための最高の脇役」という田中酒造場の優しく美しい日本酒に、すっかり心を奪われた極上の体験取材となりました。

 田中酒造場の日本酒は姫路市のふるさと納税でも入手できます。「大吟醸 白鷺の城」。詳しくは楽天ふるさと納税・姫路市商品ページをご参照ください。
https://www.rakuten.co.jp/f282014-himeji/contents/himeji_sake/

◎紹介した酒蔵
社名:田中酒造場
創業:1835年(天保6年)
住所:〒671-1114 兵庫県姫路市広畑区本町3丁目583
営業時間:8:30~17:30
定休日:第2・第3土曜日、日曜日、祝日
電話:079-236-0006
主要銘柄:白鷺の城
HP:https://www.sake-tanaka.com/

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