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「冷蔵はスカスカ、冷凍はぎっしり」冷蔵庫で収納ルールを真逆にする理由とは【専門家が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

日常生活を支える家電の代表格である冷蔵庫。インターネット上や情報番組などでは、「食品を詰め込みすぎない方がよい一方、冷凍室はぎっしり入れた方がよい」などの収納のコツが語られています。

このように、冷蔵庫のなかの場所の違いで収納方法は正反対になってしまうのはなぜでしょうか。食品ロス削減アドバイザー/冷蔵庫収納家の福田かずみさんに、理由と正しい収納の目安を聞きました。

どちらも目的は「庫内温度の安定」

-冷蔵室は詰め込みすぎず、冷凍室はある程度詰めた方がよいのは、なぜでしょうか。

一見正反対ですが、どちらも庫内の温度を安定させるための工夫です。冷蔵室は、一般的に背面の吹き出し口から出た冷気が庫内を巡り、食品を冷やします。詰め込みすぎると冷気の通り道がふさがれ、冷えにくい場所が発生。余分な冷却運転で消費電力が増えることもあります。一方、冷凍室では凍った食品が保冷剤のように働き、扉を開けた際の温度上昇を抑えます。

-冷蔵室と冷凍室は、それぞれどの程度の収納量が理想でしょうか。

目安は「冷蔵室は7割まで、冷凍室は10割程度」。冷蔵室は食品同士の間を空け、中身を見渡せる量に抑えます。鍋などを一時的に置く余白も確保しましょう。冷凍室の10割は、無理に押し込むという意味ではありません。保存袋などに入れた食品を薄く平らにして立て、大きな隙間がない程度に収納します。ケースの上端やメーカーの収納上限を守り、扉が無理なく閉まることが大前提です。

-冷蔵室で冷気の吹き出し口をふさいだり、冷凍室へ収納上限を超えて詰め込んだりすると、何が起こりますか。

冷蔵室の吹き出し口付近では、水分の多い食品が冷えすぎ、レタスなどの葉物野菜を使った作りおきのサラダが凍るケースもあります。缶入り飲料や、ビールなどの炭酸飲料が凍結すると、容器が破損する恐れも。冷凍室の扉が完全に閉まらないと外気が入り、霜や半解凍の原因になります。奥へ落ちた食品が引き出しの開閉を妨げ、「冷えない」「故障したのでは」と感じるケースもあります。

-冷凍室に空間が多い場合は、何を入れるとよいでしょうか。

保冷剤で隙間を補っても構いません。ペットボトルを凍らせる場合は、膨張による破損を避けるため「冷凍可能」と表示された製品を選びます。飲料水を大きめの清潔な冷凍対応保存容器に入れて塊氷を作れば、停電時の温度上昇を抑え、溶けた後は飲料水としても活用できます。

-食品を探す時間や扉を開けている時間を減らすには、どのように収納すればよいでしょうか。

冷蔵室では、牛乳、卵、納豆など、繰り返し買う「定番品」の定位置を決めます。開封済みの食品、残り物、期限の近いものは「早く食べるトレー」にまとめ、目につく場所へ。重複買いや使い忘れを防げます。

冷凍室は「肉・魚」「野菜」「主食・調理済み冷凍食品」など、食生活に合わせて三つほどに区分します。ブックエンドを使って立てれば、上から見渡しやすくなります。付箋に中身と保存日を書いて目につく場所へ貼ると、扉を開けずに在庫を確認でき、食品ロスと電気代の削減につながります。

◆福田かずみ(ふくだ・かずみ) 食品ロス削減アドバイザー/冷蔵庫収納家
1968年神奈川県生まれ。横浜市在住。
NPO日本食育インストラクター協会で食育を学び、料理教室の主宰を経て、食材を無駄なく使い切るための環境づくりを研究。整理収納の考え方を取り入れた独自の「冷蔵庫収納術」を考案する。
2015年にWEBサイト「美人冷蔵庫LIFE」を開設。現在は食品ロス削減アドバイザー・冷蔵庫収納家として、自治体や企業、教育機関などで講演や研修、執筆・監修をおこない、家庭で実践できる食品ロス削減のための冷蔵庫収納術を全国へ発信している。
▽公式サイト『美人冷蔵庫LIFE』
https://reizouko-club.com/

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