見たことのない「自称親族」が大量に現れ、祭壇の前にはお坊さんが2人。突然「弔辞を言わせろ」と申し出る親戚まで登場し、葬儀社のスタッフは「こんな葬式初めて見た」——。そんな祖父の葬儀を経験した父親は、生前「俺の時は質素に」と言い続けていたそうです。その願い通り、家族だけの小さな式で父親を見送ったという投稿がXで話題になっています。
投稿したのは「スピードタモリ2」さん(@speedtamori2)。「本日父の火葬が無事終わりお骨が家に帰ってきました」という書き出しで、父親が祖父の葬儀で喪主を務めた際の混乱ぶりを振り返りました。
この投稿は271万回以上表示され、「坊さん2人てナニ?読経デュエット?」「古い話みたいだけど、今もどこかでありそうで怖い」といった驚きの声が数多く集まっています。
スピードタモリ2さんに当時の様子を聞きました。祖父の葬儀で目撃した2人のお坊さんについては、「1人が祭壇の前でお経を上げ、もう1人は参加者と同じ場所の少し豪華な椅子に座ってお経を上げていました」と振り返ります。
親戚が突然、弔辞を言わせろと申し出た場面も目の前で見たそうで、「葬儀社の方たちがてんやわんやだったのを覚えています」といいます。遺産をめぐる暴言があったことは、妹さんから聞いたとのこと。そうした騒動の中でも「父は喪主として最後まで務め上げたという印象を当時は持ちました」と話します。
なお、「お坊さんが2人来るのは珍しいことではない」という指摘や、見知らぬ参列者については香典返し目当てではないかと推測する声も寄せられ、スピードタモリ2さんにとって新たな発見もあったそうです。
この経験から父親が望むようになったのが、質素な葬儀でした。その思いは、母親を通じて聞いていたそうで、父親は「遺骨は海にでもまいてくれ」とも話していました。家族も「それでいいんじゃない」というくらいの受け止めだったといいます。
父の願い通り、通夜なしの「一日葬」で
釣りが趣味の会社員だった父親は、約2カ月の入院の末に亡くなりました。父親が亡くなった時、母親は「本当に優しい人だった」と語っていたといいます。一家はもともと福岡出身で、約40年前に父親の転勤で横浜市へ。親戚付き合いがなかったこともあり、家族だけで葬儀を済ませればいいと自然に考えていたそうです。
業者は、数年前に夫を亡くした母親の友人から紹介してもらいました。通夜を行わず1日で見送る「一日葬」のプランを選び、オプションは棺に入れる花だけにしたそうです。式は火葬場で行い、費用は約27万円だったといいます。
父親の望んだ形にできたと感じた瞬間を尋ねると、こんな答えが返ってきました。「父の骨つぼを実家に持って帰ってきて、『やっと家に帰れたね』と誰ともなしに言えた時です」
スピードタモリ2さんは、慌てずに父親を見送ることができた理由を3つ挙げます。入院中にもう意識が戻らないことを知り心の準備ができていたこと、どんな葬儀にするか家族内の意見がそろっていたこと、業者を前もって決めていたこと。いざというときのために、葬儀の形について、家族が元気なうちに話し合ってみてはいかがでしょうか。