病気などで髪の毛を失った人たちの力になりたいと、ヘアドネーション(髪の寄付)に取り組んでいる岡山大付属小6年の池田葵さん(11)が、3度目の寄付をした。3歳のときに協力を始めてから約8年間、髪をケアしながら伸ばし続けた。今回を区切りにいったん活動は休止し、中学受験に向け勉強に集中する。「また再開して、より多くの人たちの役に立ちたい」と誓っている。
2018年、友人の誘いでヘアドネーションを始めた母・朋絵さん=岡山市=の影響で髪を伸ばし始めた。当時、朋絵さんは過去の交通事故による頭痛などの後遺症に悩まされていて、そばにいた葵さんは「苦しむ人たちの力になりたい」と強く思ったという。1度目の寄付は21年2月に35センチ、2度目は24年5月で45センチを贈った。
きれいな髪を届けるため、両親と一緒にケアに励んだ。毎日のようにヘアオイルを塗り、癖が付かないよう三つ編みもしなかった。髪は重くてからまる上、毎日30分のドライヤーは大変だったが「誰かのためになることがうれしくて頑張った」と振り返る。
6月18日、市内の美容室を訪れ、2年1カ月かけて腰まで伸びた髪を切り、長さ40センチの髪束を作った。これまで次のヘアドネーションのために切りっ放しだった髪を初めてボブヘアにアレンジしてカット。出来上がりを鏡で確認すると、手ぐしで髪を整えながら「かわいい」と笑顔を浮かべた。髪束は医療用ウィッグを作る大阪市の支援団体に贈る。
受験勉強で髪をケアする時間を捻出できないことから、寄付は今回で区切りとするが、「再開は遠くないうちに」と考えている。散髪を終え「今は全力で勉強を頑張ります」と決意を語った。