駄菓子専門店「日本一のだがし売場」(岡山県瀬戸内市長船町東須恵)を運営する食品卸の大町(同所)は、地元産のトウモロコシを原料に使ったウイスキー造りに乗り出した。製造は宮下酒造(岡山市中区西川原)が担当、大町の所在地・長船町地区が誇る日本刀をイメージし「名刀ウイスキー」と名付け、2029年に発売する計画だ。
大町は25年、農業法人を立ち上げ、地元の休耕田再生や耕作放棄地解消などに取り組む。農地活用策の一つがトウモロコシ栽培で、近隣の小学生の収穫体験会などを催している。同年は約6000平方メートルに作付けし約2万本を収穫し、「名刀もろこし」の商品名で、だがし売場で販売した。
ウイスキー造りは、余った約8700本を有効活用したいと企画。以前、備前黒皮南瓜(かぼちゃ)を使った焼酎造りを依頼した宮下酒造に相談し、実現した。
製造するのは、トウモロコシに麦を加えた「グレーンウイスキー」。糖化させた粉末のトウモロコシを麦汁と混ぜて発酵させ、3月下旬、宮下酒造の蔵に設置されている洋酒専用の蒸留器(ポットスチル)を使って蒸留した。
現在は味をまろやかにしたり香りを良くしたりするため、樽に入れて熟成させており、完成後は鮮やかな琥珀(こはく)色のウイスキーになる。ジャパニーズウイスキーとして売り出すため3年間、熟成させる。
宮下酒造では主にモルトウイスキーを製造しており、トウモロコシを使うのは初めて。今回は軽やかな飲み口や華やかな香りが特徴のバーボンウイスキーの中古樽を使っているといい、同社の林克彦営業部長(50)は「どんな味になるか未知数だが、楽しみ」としている。
大町の秋山創一朗社長(34)は「おいしいウイスキーができるのを期待している。3年後が待ち遠しい」としつつ、「皆さんにウイスキーを楽しんでもらい、長船の地域課題である休耕田活用に地元企業が動いていることも知ってもらえたら」と話している。