「マダニ予防薬」を使ってる犬も厳重な注意を!
「猫を外に出さないで」と訴えるゆん先生の投稿に対して、「猫がダメなら犬も外に出すな」といった極端な意見も寄せられた。
「まず前提として、マダニ予防をしていてもSFTSに感染した報告はあります。ですので、予防薬を使っているから犬の散歩が100%安全というわけではありません。犬も猫も、マダニ対策は大切ですが『絶対に防げるものではない』という認識は必要です。
また、犬で発症した場合は重症化しやすく、死亡率は猫より高いという報告もあります。ですので、決して『犬は大丈夫』『犬は気にしなくていい』という話ではなく、犬ももちろん要注意です」(ゆん獣医師さん)
犬より猫の方が危険な「人への感染リスク」
それでも、「猫」が外に出る方がはるかにSFTSのリスクが高いという。
「猫のSFTSをより強く意識してほしい理由の1つが、犬より猫の方がSFTSに対する感受性が高く、発症例を多く見かけることです。現場感としても、SFTSが問題になるのは猫であることが非常に多く、『外に出る猫の体調不良=まず疑う病気』の1つになっています。
また、外に自由に出ている猫の場合、どこで何をして、何に接触しているのかを把握しにくい点も大きな問題です。人の目の届かない時間帯に、空き地、藪、山際、茂み、野生動物の出入りする場所などへ入ってしまっている可能性があります。どこでマダニに刺されたかの把握がしづらく、マダニがついたまま帰ってくることもあります。
一方で犬の場合、基本的に散歩中は飼い主さんの管理下にあります。リードをつけ、行く場所もある程度選べます。一般的な飼育環境で、散歩中に野生動物が多い藪の中や、管理がされていない草地の奥まで入り込むケースはそれほど多くありません。帰宅後にマダニがついてないかの確認もしやすいです。
もちろん、道端の草むらや公園にもマダニが多い場所はあるので、犬の散歩も絶対安全ではないのですが、『犬も外に出ているから猫も同じ』という単純な話ではありません。犬にも十分な予防は必要ですが、猫を自由に外へ出すことは、発症リスクの高さ、行動管理の難しさ、人への感染リスクなど、別の深刻さがあります」(ゆん獣医師さん)