検討段階ではありますが、これまでの「労働時間をより厳しく規制する方向」から一転、「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和」の検討が始まっています。
具体的な内容についてはまだ何も見えてきていませんが、現状の働き方を踏まえて、労働時間規制緩和についてどのように感じているか、さまざまなご意見を集めてきました!
「残業禁止」はちょっと違うような…
Aさん(関東在住、40代、会社員)がお勤めの会社は8時~17時が就業時間で、月の残業平均時間は3時間程度のいわゆる「ホワイト企業」です。特にAさんの所属部署の上長が「家族が大事」を公言するワークライフバランス重視派で、定時10分前には「さあ帰ろう!」という雰囲気になるのだとか。その雰囲気にひかれて入社を決める新入社員も増えているそうなのですが…。
残業をするのは、よほどのトラブルが発生したときだけ。上司の許可を取らない残業は原則禁止という状況に、就職氷河期に入社し、残業当たり前だった世代のAさんは内心複雑です。
「お客様からの見積依頼をお待たせしてたり、静かな時間に新規企画案をまとめたりしたいのに、残業申請しようとすると『明日でもいいでしょう?しっかり休むことも仕事のうち!』と言われてしまって。正直、自分のタイミングで仕事させてもらえる方が助かります。禁止、って言われると不自由です」
確かに労働時間について、裁量の幅が狭くなるという問題もありますね。
法律が変わったら「やっぱり働かなきゃダメだ!」って言い出しそうでイヤ
Bさん(関東在住、30代、会社員)は、新卒から同じ会社で広告の営業職としてお勤めです。業種柄、残業は多く、今でも企画コンペの準備中やイベントで突発的なトラブルが発生したときは、月の残業時間が40時間を超えることもありますが、それでも入社した当時に比べれば半分以上に減ったと感じています。
「入社以来、世間はずっと『ライフ』を重視する方向性でしたが、もし法律でワーク重視というメッセージになったら、今はおとなしい昭和スタイルな元パワハラ上司あたりが張り切っちゃうと思います。せめてその年代の人がいなくなるまで、あと10年待ってほしい気がします!」
「ほぼ残業がないのが普通」という会社と「残業があるのが普通」という会社で、反応は全く違いそうですね。
副業と合わせて時間管理するなら総量規制は選択肢があってほしい
Cさん(関西在住、30代、派遣社員)は、保育園と小学生2人を子育てしながら週3回1日6時間、派遣社員として働いています。夫はサービス業のために休日や出勤時間が不規則なこともあり、お互いの休みをうまく組み合わせて子育てを乗り切っているそうです。
「今はワークライフバランス的にも、今くらいの働き方がちょうどいいです。でも、将来手が離れて、教育費負担が増えてきたらもう少し働きたいですね。フルタイム正社員への転職は難しいと思うので、今と同じくらいの仕事をもうひとつ、組み合わせてできれば一番いいかなと思います。こんな働き方が『副業』になるなら、総量規制はもっと緩和してほしいです。働き方によって大変さは違いますから、一律で時間制限しない方がいいんじゃないでしょうか」
労働時間規制緩和検討指示、約6割が肯定的に評価
2025年10月、高市首相が上野厚生労働大臣に「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示、これまで強化されてきた労働時間規制の方向性が変わる可能性が出てきました。
エン株式会社「労働時間規制緩和・残業に関する実態調査レポート」によると、57%が「良いと思う」(とても良いと思う:18%、良いと思う:39%)と労働時間規制緩和を肯定的に評価する割合が過半数を超えています。
働く人一人ひとりの希望を実現しやすくなること、収入UPを目指せることなどに期待が集まっているようです。
【参考】
▽エン株式会社|労働時間規制緩和・残業に関する実態調査レポート
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2026/44441.html