性教育の必要性が叫ばれる昨今ですが、どのように伝えればよいのか、またどこまで教えればよいのか悩む親は多いでしょう。イラストレーターで漫画家のこたきさえさんの作品『平成生まれの母、令和女児の性教育に挑む』の第3話では、娘たちへの性教育に悩む作者と自身の黒歴史について語られています。
ある日作者は、ママ友に自身の娘にどこまで性教育をしているか尋ねました。ママ友は、娘が幼稚園のころからプライベートゾーンや生理について話したそうですが、それ以上のことは伝えられていないんだとか。作者も同様で、2人で共感しあっていました。
プライベートゾーンとは、水着を着たときに隠れる身体のパーツと口は自分だけの大切な場所という考え方です。作者は、プライベートゾーンを他人に見せたり触らせたりしてはいけない、もし突然触られた場合はすぐに教えてほしいと娘たちに教えています。
教育方法は直接口で話すだけではなく、写真撮影中に「そのポーズだと下着見えちゃう」と伝えたり、逆に作者が子どもたちに「そろそろ触るのストップしてほしいかも…」と話すなど、色んな形で繰り返し伝えていました。
しかし、作者には『性行為』だけは娘たちに話せる自信がありません。そこで作者は、自分自身がどうだったかを思い出します。平成生まれの作者は、自分が育った家庭でそのような話題が出ることはほとんどありませんでしたが、一度だけ話題になることがありました。
当時小学生だった作者は、父親が読書感想文の指定図書を購入してきます。すると母親が本のなかに『セックス』という単語が出てくるのに気付き、本当に娘に読ませていいのかと、両親でヒソヒソ話をしていたのでした。
というのも、小学生のころの作者は性への関心が非常に高かったのですが、その言葉の意味を知りませんでした。大人向けの言葉だから両親に聞かないほうが良いと考えた作者は、クラスの男子に「セックスって知ってる?」と質問してしまいます。それを聞いた男子は、おどろいて逃げ出してしまった過去があったからです。
また、作者が小学生だったときは、90~00年代の少年漫画の影響で性に興味津々でした。ただ漫画では、具体的な描写が描かれておらず、正しい知識を得られなかったのです。
そんな作者でも、いつの間にか大人としての知識を得ることができたため、娘たちへの知識は自然にまかせてみようかと考えるのでした。
性と性教育に関する思い出と悩みを描いた同作について、作者のこたきさえさんに話を聞きました。
現代の子どもたちを「被害者にも加害者にもしない」そのために性教育は必要
―同作で、特に伝えたかった(描きたかった)部分を教えてください
3話で描きたかったのは「性教育に積極的に取り組みつつも、性交について話すのは抵抗を感じる」という、過去の自分の正直な心情です。必要なことだと頭では理解しつつも、なんとなく気恥ずかしさを感じてしまう。できれば先延ばしにしたい。そんな「親あるある」もきちんと描くことで、一冊を通して性教育に対する自分のスタンスの変化がより伝わる形になったんじゃないかと思います。
―ご自身のお子様にある程度性教育をおこなってこられたとのことですが、実際に伝えてみたことで、お子様の行動に何か変化はありましたか?
性教育は日常の中で行ったため、娘たちに大きな変化はなかったのですが、幼い頃の自分と比べると差は歴然だなと思います。
プライベートゾーンを大切にすることや自他境界について、大人顔負けなくらいしっかりしています。これが個人差なのか、幼い頃からの性教育の成果なのかは分かりませんが、とても嬉しく思います。
―現代は理解が進んだとはいえなかなか伝えづらい性教育ですが、これから子どもにどう伝えるか悩む人に向けてメッセージをお願いいたします
私自身は、「(性に興味津々だった)過去の自分のようになってほしくない」という気持ちが強くあったせいで性教育に対して二の足を踏んでしまいました。でも、コミックエッセイ本編で描いたように、現代の子どもたちを「被害者にも加害者にもしないため」に性教育が必要なのは間違いないと思います。
性教育はなぜ必要なのか?どう伝えればいいのか?私が一足先に悩みに悩んで挑んでみましたので、ぜひ本書をお手に取って、追体験していただけたらと思います。
<こたきさえさん関連情報>
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『平成生まれの母、令和女児の性教育に挑む』
▽試し読みページ(はちみつコミックエッセイサイト)
https://888ce.over-lap.co.jp/series/7203/?episode=0
▽単行本(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4824015901