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「当店ではホテル営業を行っていません」崖の上の名店に広がった誤解 “宿泊施設説”を完全否定した理由

渡辺 晴子 渡辺 晴子

北海道・室蘭にある老舗飲食店が、長年にわたり広まってきた“ある噂”に対し、真っ向から否定する投稿を行い、注目を集めています。

今回話題となったのは、「室蘭ランプ城」(@ranpu_castle1962)がInstagramに投稿した声明です。

「当店ではホテル営業を行っていません。64年前もそれ以降もそういった営業はしておりません」

投稿では、これまで一部でささやかれてきた“宿泊施設ではないか”“過去にそうした営業をしていたのではないか”といった情報を、明確に否定。さらに「虚偽の情報は名誉毀損・営業妨害にあたる」とし、法的措置の可能性にも言及しました。

強い言葉での発信に、SNS上では「事情が分かった」「応援したい」といった声が寄せられています。

誤解の背景にあった“立地と歴史”

では、なぜこうした誤解が広まってしまったのでしょうか。

関係者によると、室蘭にはかつて歓楽街「幕西遊郭」があり、ランプ城の周辺にも芸妓と遊べる場や連れ込み部屋が存在していた時代がありました。

その中で、同店は創業当時、ジンギスカン店として営業。崖の上に建てられた建物には、大きな窓のある個室が複数設けられており、そこからは測量山の断崖や内浦湾を一望できる絶景が広がっていたといいます。さらに当時としては珍しい海外レコードや独特な内装、そして親族や従業員が小部屋に住んでいたことから、人の出入りが多く、「泊まれる店ではないか」という憶測を呼ぶことに。

こうした要素が重なり、「遊女がいる」「連れ込み部屋」「ラブホテル」といった尾ひれがつき、誤情報として広がっていったと説明しています。

「家族が住んでいただけ」祖母の知られざる姿

投稿では、店の歴史や家族の背景についても語られています。

ランプ城は、もともと室蘭市内でバーを営んでいた祖父母が、「美しい景色を多くの人に見てほしい」という思いから建てた店でした。その後、祖母が一人で切り盛りするようになり、業態は喫茶店へ。目の見えない兄をはじめ、家族の生活を支えながら、店を守り続けてきたといいます。

個室として使われていた空間も、実際には家族の居住スペースだったとのこと。外から見れば“宿泊客”のように映った可能性が、誤解の一因になったとみられています。

SNS時代の“噂”に向き合う決意

関係者は「昔は小さな町の噂話で済んでいたことが、今はSNSで一気に拡散される」とし、今回の発信について「無言ではなく、真実を伝えるために向き合うことにした」と説明。

長年、根拠のないデマや誹謗中傷に苦しんできた中での決断だったといいます。

「ロマンある場所」来店前に知ってほしいこと

2025年7月に再開したランプ城は、現在も飲食店として営業。1日10食限定のオムライスなどを提供しています。

一方で、建物の老朽化や立地の特殊性から「万人向けではない」とも率直に発信。崖の上という環境ゆえ、設備の不便さや自然環境との共存も含めて理解してほしいと呼びかけています。

「祖母の思いが詰まったロマンあふれる店。美しい景色とともに楽しんでほしい」

長年の誤解を乗り越え、真実を伝えようとする発信に、多くの関心が集まっています。

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