鉄道ファンの間で「どつぼスタンプ」の名で人気を集めている駅スタンプがある。鉄道カメラマン坪内政美さん(51)=高松市=が製作し、全国各地の駅などに贈っているゴム印で、岡山県内では新見市のJR芸備・伯備線の3駅。2025年から市の観光振興アドバイザーも務める坪内さんは「スタンプを押しに新見に足を運んで」とPRする。
スーツ姿で撮影に臨む坪内さんは異色のカメラマンとして名をはせ、テレビや雑誌など多方面で活躍中。スタンプの愛称は名字にちなむ。
駅周辺の観光施設や名産などをあしらった駅スタンプは来駅の証明であり、熱心に収集する“押し鉄”もいる。しかし近年はローカル線を中心に無人駅が増え、設置しているところが少なくなっている。そんな中、「地域活性化の一助になれば」と坪内さんは12年から駅スタンプの製作・寄贈活動に取り組んでいる。
新見市関係では22年の井倉駅を皮切りに25年に布原、野馳両駅のスタンプを相次いで手がけた。サイズはいずれも直径8センチで、井倉駅の印影は井倉洞と特急やくも「381系」、布原駅は今も語り継がれる「SL三重連」をデザインし、野馳駅は1930年築の木造駅舎を精密に表現している。
スタンプは井倉駅と野馳駅は各駅舎、管理人がいない布原駅は市観光案内所に置かれており、案内所のスタッフは「きれいに押そうと長い時間粘っているファンの姿も見る。新見を訪れる新たな動機づけになっているようだ」と言う。
人口減や高齢化が進む中山間地にあって、次は新見市に隣接する高梁市の備中川面駅のスタンプ製作を計画する坪内さん。「人を呼び込み、駅も地域も元気にしたい」とスタンプラリーをはじめとするイベントの構想も練っている。