岡山県井原市井原町のヘアサロン「ヘア・プレイス・オアシス」で働く理容師安井燦太（さんた）さん（２６）＝同市上出部町＝が、「第７７回全国理容競技大会」の「ヘアクリエーション２０２５アンダースタンド」部門で初の頂点に立った。〝３度目の正直〟で栄冠を手にし、「昨秋から続けてきた練習の成果を発揮できてうれしい」と喜びをかみしめている。
全国理容生活衛生同業組合連合会（東京）が主催する業界最大の競技会。計５部門あり、ヘアクリエーション部門は若者向けの髪型をテーマにカット、スタイリングの技術を競う。今年の課題はマッシュヘアの丸いシルエットに襟足を残した「マッシュウルフ」に、らせん状のスクリューパーマを組み合わせたスタイル。各地の予選を勝ち抜いた５８人が出場した。
安井さんは玉野市日比で理髪店を営む両親の働く姿を見て、理容師を志した。県理容美容専門学校（岡山市）を卒業後、「オアシス」に就職。より高みを目指し、過去に父の誠一郎さん（５８）やオアシスの橋本雅史代表（５０）も出場した競技大会への挑戦を続けてきた。
仕事後にトレーニングを重ね、県外での練習会にも積極的に参加。今年は県予選（５月）で２位だったが、辞退があったため３年連続の出場が決まった。 神戸市で１０月２１日に行われた本大会では、気負いなく３５分の制限時間内にカットやセットを仕上げ「全てがうまくいった」という。審査員８人のうち３人が１００点満点を付け、９８・８３点で優勝を飾った。
「両親には少しは恩返しができたかな」と照れ笑いを浮かべる安井さん。「どんな注文にも応えられる理容師を目指してさらに精進したい」と話している。
