装備充実、快適性もアップしたマイナーチェンジ
装備面もさらに充実した。運転席および助手席にはシートベンチレーションが標準装備され、特に夏場の快適性が大幅に向上している。また、後席には8インチのタッチスクリーンが新たに装備された。
快適性の面でも進化が見られる。ルーフガラスにはシルバーメッキコーティングが施され、遮熱効率は従来比で26%向上。これによりエアコンの使用電力を抑えられるため、実航続距離の延伸にも寄与する。
リヤシートも新設計となり、座面とヘッドレストの形状が最適化された。座面は1.5cm延長され、ヘッドレストの幅は1.7cm拡大。これによりシートのサポート性が向上し、長距離移動時の快適性も高まっている。さらに、リヤシートの背もたれは電動調整に対応。シート側面のボタンに加え、トランク側面やセンターディスプレイからも、ワンタッチでフルフラットに調整可能となった。
実用面では、ボンネット下のトランクも刷新されている。テスラが「フランク」と呼ぶこのフロントトランクは、117Lの容量を確保。今回は仕切り板の追加により、収納スペースを柔軟にカスタマイズ可能になった。さらに独立した排水口が新設され、濡れた荷物の収納にも対応するなど、実用性が大きく向上している。
新型モデルYは静粛性が大幅に向上!
今回試乗したのは、新型モデルYのロングレンジ4WD。まず運転席に座り、シートやミラーの位置を調整して、いざ出発…といきたかったが、前述の通りシフトノブが見当たらない。
テスラのスタッフにレクチャーを受け、15.4インチの大型タッチスクリーン上の操作画面で上方向にスワイプ。恐る恐るアクセルを踏むと、新型モデルYは静かにスルスルと走り出した。とはいえ、どこか心にモヤモヤが残り、駐車場で軽くバックの練習。慣れてしまえば問題ないが、慣れるまでには少し時間がかかると覚悟したうえで購入すべきだと感じた。
走り出してすぐに気づくのは、静粛性の高さだ。ザラついた路面で聞こえるザーッというロードノイズやゴーッという音も、大幅に抑えられている。これは、新たに追加された複数のシーリング材や遮音材の効果によるもの。実際、ロードノイズは従来比で22%、高速走行時に発生する風切り音も20%低減されているという。